「心配したことの9割は実際には起こらない」と言われます。
実際、研究によると、人々が心配することの大部分は現実には起こりません。
例えば、ペンシルバニア州立大学の研究では、心配事の91.4%が実際には起こらなかったと報告されています。
このことは、私たちが日々感じる不安や心配が、多くの場合、根拠のない自動思考であることを示しています。
この記事を読めば、こういった悩みを生む自動思考から解放されるヒントが分かります。
②自動思考が生じる理由とは?
③悩みを生む自動思考からあなたを解放するロックバランシング瞑想とは?
ロックバラン瞑想による自動思考からの解放に長年取り組んできた筆者が、悩みを生む自動思考からあなたを解放するロックバランシング瞑想について解説します。
<自己紹介>
筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴17年 ボクシング歴11年
<筆者のロックバランシング歴>
2016年 ロックバランシング及びロックバランシング専門のインスタグラム開始
・インスタグラムに1000を超える投稿
・作品の質の高さ、石の積み上げ技術において日本の第一人者
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職
<資格> 一級建築士(管理建築士)
目次
悩みを生む自動思考 6つのパターンとは?
自動思考とは、個人の意志とは無関係に自動的に生じる思考のことを指します。
これは、ある状況に対して素早く反応する思考であり、ふとした瞬間に頭に浮かぶ考えやイメージを意味します。
自動思考にはさまざまなものがあり、人によって傾向が違います。
「自分はすばらしい」とポジティブに考える人もいますが、反対に、「どうせうまくできない、無理だ」「こんなことをしたって意味がない」とネガティブに考える人もいます。
これらのネガティブな自動思考は、しばしば悩みの原因となります。
以下、悩みの種になるような役に立たない自動思考のパターンをいくつか解説します。
①all or nothing 思考
物事を全てか無かで見る極端な思考パターンです。
例えば、部下が一度ミスをすると「彼は無能だ。もう使えない!」と、全否定してしまう考え方です。
このように、状況を連続体ではなく、二つの極端なカテゴリーで捉える思考パターンです。
②極端な一般化
ごくわずかな、またはたった一つの否定的な事実や体験を取り上げ、「絶対に〜だ」「みんな〜だ」「いつも〜だ」と一般化してしまう考え方です。
③心の読み過ぎ
相手の何気ない行動や言葉から勝手にあれこれ推察して、傷ついたり怒ったりすることです。
多くの場合、ネガティブに考えて、最悪のケースを予想することもよくあります。
④未来の勝手な決めつけ
結果はどうなるか分からないのに、未来の出来事をネガティブに決めつけることです。
例えば、十分練習したにもかかわらず「どうせ、また負ける」と思い込むことです。
⑤破滅的思考
全てに対して、およそあり得ない最悪な予測をすることです。
困難な状況やネガティブな状況を極端に誇張して、自分が将来直面するであろう問題や状況に対して絶対に起こり得ない状況を想像してしまいます。
⑥感情的な決めつけ
個人の感情や気分に基づいて物事や現実を判断し、それを客観的事実であると誤解することです。
例えば、不安を感じると「失敗するに違いない」と決めつけたり、なんとなく生理的に合わないと感じると「あの人は悪い人に違いない」と決めつけることです。
参考文献:マイケル チャスカルソン著『今日から始めるマインドフルネス』
自動思考が生じる理由とは?
現代人は、「今・ここ」よりも未来に執着して、あれこれ考えてしまうことが自動思考を生じさせる原因です。
それでは、なぜヒトは「今・ここ」よりも未来に執着してしまうのでしょうか?
その理由は、ヒトには「遠い未来の不安」対策システムが備わっていないからです。
もう少し詳しく解説します。
ヒトが狩猟採集生活を送っていたころは未来という時間感覚は無く、「今・ここ」だけで生きていました。
ところが今から1万1000~2万3000年前に農耕生活が始まったことで、ヒトの時間感覚が変化し、「未来」を獲得しました。
農耕を効率的に行うためには、長期的なタイムスケジュールが不可欠だからです。
農耕生活が始まった1万1000~2万3000年前は、ヒトが地球上に誕生してから約700万年が経過していることを考えると、実は比較的最近の出来事です。
そのため、ヒトに備わっている「不安」対策システムは、狩猟採集生活時代からまだ進化が追い付いておらず、あくまでも目の前に迫った「今・ここ」の危険だけが対象です。
つまり、ヒトには「遠い未来の不安」対策システムが備わっていないため、将来に原因の分からない不安を覚えて、あれこれネガティブな自動思考が生じるのです。
以上は、あくまでも仮説ですが、この仮説を裏付けるような事実も存在します。
ケンブリッジ大学で博士号を得たケニア出身の牧師ジョン・ムビティ氏によれば、「アフリカ人には未来の感覚が存在しない」という事実です。
引用:鈴木祐著『最高の体調』
悩みを生む自動思考からあなたを解放するロックバランシング瞑想とは?
以下、【関連記事:マインドフルネス瞑想を簡単に実践できるロックバランシングとは?】から引用しています。
自動思考をコントロールする方法として、マインドフルネスが有効であるとされています。
マインドフルネスとは、「今・ここ」に意識を集中させる心の状態、またはその訓練方法を指します。
一般的なマインドフルネス瞑想としては、呼吸瞑想、食べる瞑想(マインドフル・イーティング)、歩行瞑想、ボディスキャン瞑想などの訓練方法がよく紹介されますが、効果を実感して継続している方は、ほとんどいないと思います。
どの方法も「座禅」と同じで、つまらなくて苦痛だから続くわけがありません。
その点、筆者がお勧めするロックバランシング(石積みアート)を利用したマインドフルネス瞑想は、従来の方法とは全く違います。
従来の方法が「今・ここ」に注意を向けること自体を目的にしているのに対し、ロックバランシングによる瞑想は、石積みアートの制作が目的です。
つまり、石積みアートの制作に集中することによって、知らず知らずのうちにマインドフルネスを体得できる(「今ここ」に注意を向けること自体を目的にしていない)点で他の方法とは一線を画しています。
ロックバランシングとは?
ロックバランシングとは、石の表面の小さな凹みを利用して、バランスを取りながら石を積み重ねてアート作品を作ることです(上の画像参照)。
当然、接着剤などは使いません。
言ってみれば、重力が接着剤です。
詳細は、【関連記事:ロックバランシングのやり方とコツを第一人者が解説【筆者の制作方法も公開】】をご覧ください。
一般的なマインドフルネス瞑想とロックバランシング瞑想の違いとは?
一般的なマインドフルネス瞑想は、「今・ここ」に集中する方法として、呼吸や身体の一部に意識を集中させます。
一方、ロックバランシングは石を積むことに集中すれば、自然と「今・ここ」に集中できます。
ロックバランシング瞑想は、石を積むというモチベーションがあるので、意識を「今・ここ」に集中させることが他の方法に比べるとかなり簡単です。
自動思考に気を取られると石は崩れ落ちてしまいますので、「今・ここ」に集中しているかどうかが分かりやすいのも特徴です。
ロックバランシング瞑想を繰り返すうちに、自動思考をやり過ごすことが自然とできるようになっていきます。
つまり、自動思考を感じている自分を第三者の目で見る「自己観察」の感覚が、ロックバランシングを通じて自然と体得できるのです。
これも、石を積み上げてアートを完成させるという、他の方法には無い「目に見えるモチベーション」が大きな助けとなっています。
ロックバランシングを自宅でやるには?
自然に囲まれた川原でロックバランシングを行うのが理想ですが、日常的に行うには無理があるので、自宅で簡単にできる方法をご紹介します。
下図をご覧ください。
上図にあるような平たい安定感のある植木鉢(直径10~15cm程度)と石を用意します。
石は、川原で拾ってくるか、石材店かホームセンターで購入してください
先ず、鉢に石をぐらつかないようにセットします。
すき間に小石をかませて、絶対に動かないようにセットしてください。
このベースの石が少しでも動くと絶対に石は積めません。
あとは、石の表面の小さな凹を利用して、図にように積み上げます。
最初は、凹が多いデコボコした石を選んでください。
ネットで画像検索すれば、いろんなレベルの作品が出てきますので参考にしてください。
まとめ
✔悩みを生む自動思考10のパターンとは?
①all or nothing 思考
②極端な一般化
③心の読み過ぎ
④未来の勝手な決めつけ
⑤破滅的思考
⑥感情的な決めつけ
✔自動思考が生じる理由とは?
現代人は、「今・ここ」よりも未来に執着して、あれこれ考えてしまうことが自動思考を生じさせる原因
✔悩みを生む自動思考からあなたを解放するロックバランシング瞑想とは?
・ロックバランシングとは、石の表面の小さな凹みを利用して、バランスを取りながら石を積み重ねてアート作品を作ること
・ロックバランシング瞑想は、石を積むというモチベーションがあるので、意識を「今・ここ」に集中させることが他の方法に比べるとかなり簡単
最初のうちは、ロックバランシングの最中にいろんな自動思考がわいてきますが、その自動思考を「今、自動思考を感じている自分がいる」といった具合に第三者として眺めるようにしてください。
慣れてくると、その自動思考がスーッと消えて、また石積に集中できるようになります。
これが、「自己観察」の感覚です。
このロックバランシング瞑想で「自己観察」の感覚がつかめれば、日常生活のさまざまな状況をマインドフルネスのトレーニングの場とすることが可能になります。