画像引用:映画『生きる』
映画『生きる』(1952年)の主人公 渡辺勘治(役所の市民課長)は胃癌と診断されたことで、これまで30年間の役所勤めの無意味さに気づきます。
渡辺は残りの人生を充実させたいと願い、最初は酒や女性などの快楽に走りますが、それでは満足できず、最後には住民の要望だった小さな公園を作ることに「生きる意味」を見い出します。
この映画は、黒澤明監督の傑作ですが、残念ながら定年からの「生きる意味」はえがかれていません。
現役時代は一家の大黒柱としてそれなりに「生きる意味」はありましたが、定年からはどうでしょう?
この記事では、筆者の「定年からの生きる意味」を公開しますので、ご自身の答えを見つけるための参考にしてください。
(注)うつ病などメンタルヘルスに問題がある方は対象外です
<自己紹介>
筆者本人(1960年生)
筋トレ歴16年 ボクシング歴10年
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2923年 退職
<資格> 一級建築士(管理建築士)
目次
「定年からの生きる意味」とは?~筆者の場合はこの5つです
①年金保険料の回収
一つ目の「定年からの生きる意味」は、きわめて世俗的で損得勘定によるものです。
保険料を40年間真面目に支払ってきたわけですから、しっかり回収させていただきます。
これからは物価も上がって実質的に目減りします。
若い世代に気兼ねすることなく、出来るだけ長生きして回収することが「定年からの生きる意味」のトップバッターです。
参考:世界価値観調査から分かる日本人の本性とは?世界でも際立って世俗的?
②退職金で建てた終の棲家を十分楽しむ
現役時代の脱・消費脳※1で貯めたお金と退職金で、筆者は終の棲家を建てました。
※1 消費脳とは、「消費(浪費)=幸せ」という脳神経回路が強固に出来上がってしまっている脳(思考の癖)のことです。
ほとんど無駄遣いせず貯めたお金で建てた終の棲家を定年からタップリ味わい尽くします。
終の棲家を生活の中で使い切ることによって、しっかり投資回収することが、二つ目の「定年からの生きる意味」です。
参考:定年前から始める賢いお金の使い方|脱・消費脳で定年後の不安を解消!
参考:新築をおすすめしたくなる終の棲家5つのメリット【経験者が解説】
③現役時代に鍛えた肉体で十分楽しむ
筆者は47歳でバカバカしさに気付いた出世競争から降りて筋トレを始めました。
出世競争を降りたおかげで、ストレスも減り順調に肉体改造ができました。※2
※2 腹や腰回りの「浮き輪肉」は、慢性的なストレスにより過剰分泌されるコルチゾール(抗ストレスホルモン)が一因です。参考:浮き輪肉が落ちない根本原因と落とすために最も大切なこととは?
平日のスポーツクラブでは、ダンス・フィットネスで多くのご婦人方に囲まれて幸せな時間を過ごしています。
現役時代にコツコツ努力して鍛えた肉体を活かして人生を楽しむことが、三つ目の「定年からの生きる意味」です。
参考:【大企業の出世競争】 早めに降りた方がよい3つの理由【出世レースの実態】
④暇な時間を使って社会貢献
筆者は暇な時間を使ってブログとインスタグラムをやってます。
ブログは現役サラリーマンと定年退職者に向けた情報を、インスタグラムは趣味のロックバランシングの作品をシェアしています。
「少しは社会貢献できているのでは?」と自負しています。
2025年4月からは自治会長もやることになりました。
人生経験や趣味を活かして社会貢献することが、四つ目の「定年からの生きる意味」です。
参考:定年後の暇つぶしにブログがよい6つの理由【経験者が解説】
⑤孫に自分の死にざまを見せる
孫に自分の死にざまをみせるのは人生の最後の大仕事です。
どうせ死にざまを孫に見せるなら、孫が死の意味を自分なりに考えられる年齢まで生きていたいものです。
そして立派な死にざまを見せるためには、定年からの人生をもう少し生きる必要もありそうです。
孫に「死」を教えることが、最後の「定年からの生きる意味」です。
自分の「死の意味」とは?
養老孟子氏は「死」を一人称、二人称、三人称で説明しています。
この中で自分にとって意味がある「死」は、二人称(あなた)の死だけです。
三人称の「死」とは、たとえば警察が発表する交通事故による死亡者数のように、赤の他人の死です。
個々の死を悲しむことはありません。
そして、一人称の「死」、すなわち自分自身の「死」は、見れないので、自分にとっては「無い」のと同じです。
引用文献:養老孟子著「死の壁」
まとめ
「定年からの生きる意味」とは?~筆者の場合はこの5つです。
①年金保険料の回収
②退職金で建てた終の棲家を十分楽しむ
③現役時代に鍛えた肉体で十分楽しむ
④暇な時間を使って社会貢献
⑤孫に自分の死にざまを見せる