ながら江雪の人生ノート

現役サラリーマンと定年シニアのお悩み解決

MENU

ダンスフィットネスをダンスにするワンランク上のリズムの取り方とは?

引用:DELITO - Nathy Peluso / SALSATION®︎ CHOREOGRAPHY SMT GRACE

ズンバ、サルセーション、リトモス、バイラバイラなど種類も増えて、どこのスポーツクラブでも盛況なのがダンスフィットネスです。

ダンスフィットネスがダンスではなく、ただの体操になっていても本人が楽しければ、それが一番です。

でも、曲にあったリズムの取り方でグルーヴ感を出せば、ダンスパフォーマンスがより魅力的になります。

この記事を読めば、日本のドラム講師である持冨旬氏が提唱しているビート感を応用したワンランク上のリズムの取り方が分かります。

■この記事を読んで頂きたい人■
・いつも最前列センター付近で踊っている人


■この記事でわかること■
 ①そもそもなぜリズムが重要なのか?

②ワンランク上のリズムの取り方~プッシュビート、プルビートとは?
 

スポーツクラブのダンスフィットネス歴17年の筆者が、ダンスフィットネスをダンスにするワンランク上のリズムの取り方を解説します。

<自己紹介>

筆者本人(1960年生)
筋トレ歴17年 ボクシング歴11年

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職

 

      

 目次

そもそもなぜリズムが重要なのか

いつもインストラクターの動きを目で追ってるだけで、曲を聞いていない人が多いのではないでしょうか。

実は、ダンスを上手く踊るには、視覚ではなく聴覚を働かせることが大切なんです。

以下、養老孟子著『唯脳論』から引用します。

(前略)聴覚と運動は、たがいに同じような時間的関係を持っている。体操のときには「一、二、三」と「号令を掛ける」のであって、ビデオで体操を見せて、それを真似しろとは言わない。見て動作を真似るのは、なかなか困難である。運動も聴覚と同様に、時間の中を流れるものであって、(後略)

こように、聴覚すなわちリズムと運動には密接な関係があります。

振付を覚えるまでは視覚重視にならざるを得ませんが、ある程度覚えたら振付の細かな正確さよりリズムに集中した方がカッコよく踊れます。

 

 

ワンランク上のリズムの取り方~プッシュビート、プルビートとは?

日本のドラム講師である持冨旬氏によれば、プッシュビート※1 とはドラムのスティックを振り下ろすタイミングで拍子をとるビート感で、プルビート※1 とは振り下ろした後に振り上げるタイミングで拍子をとるビート感です。

 

※1 なお、「プッシュビート」「プルビート」は、持冨旬氏がつくった和製英語です。

 

持冨旬氏の受け売りですが、先ずはTOTOの名曲『アフリカ』をプッシュビートの演奏とプルビートの演奏で聞き比べてください。

プッシュビートの演奏です。

Weezer - Africa (starring Weird Al Yankovic)

プルビートの演奏です。

Toto - Africa (Official HD Video)

歩きながらプッシュビートの『アフリカ』を聞いて、足が着地するタイミングで拍子をとってみて下さい。

次に、プルビートの『アフリカ』では、足を着地した後に反対の足を上げるタイミングで拍子をとってください。

それぞれ、拍がピッタリ合った気持ちよさが体感できるはずです。

次にダンスで解説します。

サルセーションの曲はイン・シンク『バイ・バイ・バイ』を例にとって解説します(下の画像参照)。

画像引用:Bye bye bye - Salsation® Choreography By SMT Kevin OD

画像引用:同上

この曲はプルビートで演奏されており、当然、センターで踊っているダンサーもピルビートで踊っています。

プルビートで踊ると言ってもイメージがつかめないと思いますので、具体的に解説します。

上の2枚の画像は、曲に合わせて小さくジャンプしているところです。

着地(1枚目の画像)した後、飛び上がったタイミング(2枚目の画像)にリズムを合わせると気持ちよく踊れます。※2

 

※2 着地時点(1枚目の画像)にリズムを合わせれば、プッシュビートのダンスになります。

 

下の画像は左手を曲に合わせて前後の振っているところですが、前に振った後、後ろに振る(引く)タイミングにリズムを合わせると気持ちよく踊れます。※3

 

※3 前に振るタイミングにリズムを合わせれば、プッシュビートのダンスになります

画像引用:同上

分かりやすいところをピックアップしましたが、『バイ・バイ・バイ』の振付全体はプルビートそのものと言った感じで、プルビートで踊らないと気持ちよくノレません。

参考:サルセーションの特徴|カッコよく踊ると運動効果が向上する理由とは?

まとめ

スタジオ最前列センターで踊っているような上級者の方は、このリズムの取り方の違いで踊り分けてみてください。

ロックやパンクはプッシュビート、ジャズはプルビートです。

ファンクはプッシュビートが、R&B、ソウル、ヒップホップはプルビートが多いです。

また、ラテンではサルサやメレンゲのようなアップテンポのジャンルは、リズムが前のめりに感じるプッシュビートですが、ボサノバのようにリズムがやや後ろに引っ張られるようなジャンルはプルビートです。

また、その曲がプッシュかプルかは、音楽のジャンルにもよりますが、演奏者にもよります。

例えば、ビートルズはポールだけプッシュビートで演奏しているそうです。

とにかくプッシュビートとプルビートの違いが分かる「耳」が必要なので、いろんな曲を足踏みしながら聞いてください。

聞き分けるポイントは、足を着地するタイミングでリズムを刻むのが気持ちいい(=プッシュビート)か、足を着地した後に反対の足を上げるタイミングでリズムを刻むのが気持ちいい(=プルビート)かです。

そのうち足踏みしなくても、なんとなく「ノリ」で分かるようになります。