上司は、あなたの手柄をあなたの業績評価に反映していますか?
ひょっとして、あなたの上司は部下の手柄だけで出世していませんか?
JTC※1 では、上司は多かれ少なかれ部下の手柄を横取りしますが、中には、かなり悪質な上司もいます。
※1 JTCとはJapanese Traditional Companyの略で、古い体質の日本の伝統的な大企業を揶揄するネットスラング
この記事を読めば、あなたの上司の本性が分かります。
②部下の手柄だけで出世する大企業(JTC)の上司~3つの対処法とは?
<自己紹介>
筆者本人(1960年生)
筋トレ歴16年 ボクシング歴11年
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2923年 退職
目次
部下の手柄だけで出世する大企業(JTC)の上司~3つの特徴とは?
①仕事が予定通り進まなくなると急に機嫌が悪くなる
順調にことが運んでいるうちはご機嫌ですが、問題が発生してちょっとでも予定通り進まなくなると大変です。
適切なアドバイスや場合によっては矢面に立って助けてくれるのが本来の上司の姿ですが、部下の手柄だけで出世する大企業(JTC)の上司は、「なんとかしろ!」と言うだけです。
彼らは、「忖度」という専門スキル以外は何もスキルがないジェネラリスト※2 なので無理もありません。
※2 大企業(JTC)がいつまでも続けている日本固有のメンバーシップ型雇用では、会社の都合でどんな仕事にも従事する必要があるため専門スキルが身に付きません。従って、大企業(JTC)の社員は、多かれ少なかれ全員がジェネラリストとい名の「何でも屋の素人」です。ちなみに、ジェネラリストをスペシャリストと明確に区分するのは日本だけです。
部下の手柄だけで出世する大企業(JTC)の上司は、気が小さくて感情の起伏が激しいジェネラリストという名の「何でも屋の素人」です。
参考:JTC経営者が「なんとかしろ!」としか言えない理由と会社の末路とは?
②よく「責任」を口にする
「俺が責任取るから、なんとかしろ!」なんてことを言う上司に限って、絶対責任なんかとりません。
このような上司は、成功すれば自分の手柄にし、失敗した時には部下に責任を押し付けて逃げます。
頻繁に「責任」を口にするのは、大企業(JTC)のDNAに刻み込まれた減点主義に怯えている証拠です。
部下の手柄だけで出世する大企業(JTC)の上司は、自己保身の天才です。
③仕事は部下に丸投げでフォローしない
大企業(JTC)の上司の多くは、程度の差はありますが、「部下とは上司に尽くすもので、部下の手柄は自分に帰属するのが当たり前」という認識です。
これは、メンバーシップ型雇用を続ける大企業(JTC)の給与体系が一因です。
下のグラフのように、年功序列と終身雇用で社員を会社に縛り付けておく※3 ために、年を取ってから元が取れる賃金カーブが設定されているからです。
※3 本当に縛り付けておく必要があったのは、高度経済成長期からせいぜい1980年代まででした。今でも続いているのは、メンバーシップ型雇用を変革できない無能な経営者が惰性で続けているだけです。それが原因で、人件費負担に耐えられなくなり、役職定年制度の導入や希望退職制度(リストラ)が常態化しています。
引用:賃金を切り口とした年功序列型人事制度の検証 | 産業能率大学 総合研究所のグラフに筆者が加筆
部下の手柄だけで出世する大企業(JTC)の上司は、並みの上司より貪欲で、かつて上司に横取りされた手柄以上の手柄を部下から横取りしようとします。
参考:なぜ大企業(JTC)には部下の手柄を横取りする上司しかいないのか?
部下の手柄だけで出世する大企業(JTC)の上司~3つの対処法とは?
①自分も出世したい人の対処法
大企業(JTC)で出世するには、学歴などの基礎条件と上司に引き上げてもらうためのそつの無い「忖度」が必要です。
自分も出世したい人は、自分の手柄を上司に進んで差し出して「忖度」に励んでください。
しかし、これは必要条件であって十分条件ではありません。
手柄の取られ損の可能性は、もちろんあります。
参考:大企業(JTC)の出世メカニズム|出世の代償と出世しないという選択肢
②出世には執着しない人の対処法
大企業(JTC)の上司とはそういうものだと諦めて「静かな退職」を選択することをおすすめします。
「静かな退職」とは、以下の3つの特徴を持つ働き方です。
会社は生活の糧を稼ぐ処と割り切って、家族や自分の趣味などに軸足を置く生き方です。
筆者は、40代後半から「静かな退職」を始めました。
③こんな会社はうんざりで転職したい人の対処法
転職先(転社先)がまた大企業(JTC)である場合、状況はほとんど変わりません。
状況を変えるなら、上司はジェネラリスト(何でも屋の素人)ではなく、スペシャリストのプレイングマネジャーであることが理想です。
中途社員比率50%超の企業であれば、その可能性があります。※4
※4 大企業(JTC)は純血主義(プロパー主義)であるため、社員の出入りがほとんどなく、社員は同質化・固定化・一体化しています。その結果、組織は閉鎖的な共同体(ムラ社会)となっており、部下の手柄だけで出世する上司という世間一般からはかけ離れた非常識な上司も存在します。
大企業(JTC)より、上司の能力や業績評価はまともで仕事のやりがいもあり、市場性のあるスキルが身に付く可能性があります。
その代わり、給与や福利厚生が下がったり、仕事がきつくなる可能性があることは覚悟しておく必要があります。
参考:20代の転職|大企業病が嫌いで転職するなら早めがよい理由と注意点
まとめ
✔部下の手柄だけで出世する大企業(JTC)の上司~3つの特徴とは?
①仕事が予定通り進まなくなると急に機嫌が悪くなる
②よく「責任」を口にする
③仕事は部下に丸投げでフォローしない
✔部下の手柄だけで出世する大企業(JTC)の上司~3つの対処法とは?
①出世したい人は、「忖度」人生が必要条件(当然、十分条件ではない)
②出世に執着しない人は、「静かな退職」を選択
③うんざりした人は、中途社員比率50%超の企業に転職