ながら江雪の人生ノート

現役サラリーマンと定年シニアのお悩み解決

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【就活】高学歴者にとって大企業(JTC)はあまりにも退屈な理由と実態

作家 橘玲氏は著書『貧乏はお金持ち』で、日本企業を「終身雇用劇場」という看板を掲げて「年功序列とともに」という長尺の映画を上映している映画館に例えました。

上映されている映画は、とてもつまらないのにいつも大入り満員です。

なぜなら、みんなの目的は映画を見ることではなく映画館にいることだからです。

恵まれた経営資源(ヒト、モノ、カネ)や長年にわたって確立された儲けの仕組みにより経営が安定している大企業(JTC※1)には、リスクを冒してまで大きな成長を目指そうとする人は、社長をはじめとして誰もいません。

 

※1 JTCとはJapanese Traditional Companyの略で、古い体質の日本の伝統的な大企業を揶揄するネットスラング

 

そのため、大企業(JTC)で上映されている「年功序列とともに」という長尺の映画は、退屈の極みです。

大企業(JTC)はメンバーになる(入社する)までが大変なだけで、一度メンバーになってしまえば大学のようにユルイ世界で定年まで過ごせます。

しかし、大学生活は4年ですが、社会人としての人生は40年にも及びます。

40年間も「終身雇用劇場」で、退屈極まりない「年功序列とともに」という長尺の映画を見続けなければならないのです。

この記事を読めば、優秀な高学歴者にとって大企業(JTC)での人生は、ローリスクローリターンの退屈な人生であることが分かります。

■この記事を読んで頂きたい人■
・大企業(JTC)への就職を希望する高学歴の就活生

(注) 役員になるための評判獲得ゲームで暇つぶしする人は、この記事を読む必要はありません。参考:大企業の社内競争は客観的な成果や能力より評判が重要な理由とは?

 

■この記事でわかること■
①高学歴者にとって大企業(JTC)はあまりにも退屈な理由とは?

②高学歴者にとって大企業(JTC)はあまりにも退屈な5つの実態とは?


③早めに脱出しないと飼殺される理由とは?
 
大企業(JTC)を脱出できず飼殺された筆者が、高学歴者にとって大企業(JTC)はあまりにも退屈な理由と実態を解説します。

<自己紹介>

筆者本人(1960年生)

大企業(JTC)は退屈過ぎて身体づくりに励む
筋トレ歴17年 ボクシング歴11年

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2923年 退職

 

      

 目次

高学歴者にとって大企業(JTC)はあまりにも退屈な理由とは?

ユニクロの柳井正氏は、2024年8月26日に放送された日本テレビの報道番で、「日本の経営者が変革を恐れ、現状維持に固執している」と述べ、さらに「日本人は滅びるのではないか」と発言して大きな話題を呼びました。

高学歴者にとって大企業(JTC)はあまりにも退屈な理由は、柳井氏が指摘するように、大企業(JTC)のすごろく上がりのサラリーマン社長が「任期中、大過なく過ごす」ことに終始するため、能力を存分に発揮できる挑戦的な仕事が存在しないからです。

筆者が40年にわたる大企業(JTC)勤務で経験した、退屈極まりないサラリーマン人生を以下に振り返ります。

 

 

高学歴者にとって大企業(JTC)はあまりにも退屈な5つの実態とは?

①大企業(JTC)の仕事は「1 ⇒ 1(One to One)」

「0⇒1(Zero to One)」は、アメリカの起業家・投資家であるピーター・ティールの著書のタイトルでもあり、全く新しい価値と市場の創造を意味します。

GAFA(Google、Apple、Facebook=現Meta、Amazon)がその代表例です。

ここでの「1 ⇒ 1」とは、「0⇒1」の正反対の意味です。

要するに、大企業(JTC)での仕事とは、「1 ⇒ 1」すなわち「変化よりも現状維持」のために嫌々出社し続け、その対価としてレベルの低い仕事の割に高い給与を受け取っているのです。

②大企業(JTC)で重宝されるのは生成AI型の人材

生成AI型の人材とは、大量の既存のテキストデータ(書籍、論文、ウェブページ、会話データなど)を学習して文章を自動生成するAIのように、前例に基いて最適な答えを導き出す前例主義の人材です。

彼らには、ゼロから斬新なアイデアを創出する能力は皆無ですが、大企業(JTC)の業務はリスク回避を徹底する「1 ⇒ 1」のスタイルであるため、むしろその特性は評価されるのです。

③大企業(JTC)は過剰なコンプライアンスが大好き

大企業(JTC)で重宝される生成AI型の人材は、創造力に乏しいだけではなく、未経験の事象や予測できない問題に直面した際には、柔軟な対応が不得意です。

そのため、リスク回避を徹底する「1 ⇒ 1」のスタイルでは、実際に有効な事故・不正対策よりも自己保身を優先した規則の強化が進みます。

これが、大企業(JTC)の過剰なコンプイアンスの正体です。

しかし、トップをはじめ皆が自己保身を重視するあまり、不正が発覚しても組織内に隠ぺいされてしまい、事態が深刻化するケースが後を絶ちません。

参考:日本企業の過剰なコンプライアンス【過剰になる理由と弊害】

④大企業(JTC)のプレゼンテーションは内容より分かりやすさが大事

大企業(JTC)の役員は、客観的な業績ではなく、学歴と忖度によって獲得した権力者の「お墨付き」でその地位を獲得しているので、実務レベルの仕事の知識・経験はありません。

そのため、プレゼンテーションの評価は、内容より分かりやすさに左右されます。

できるだけ字数を減らしたり、文字の大きさや色の使い方、グラフなど視覚に訴える工夫などたっぷり時間をかけて資料を作成します。

そして、過去のデータや事例から「ああすれば、こいうなる」という因果論的な単純パターンで説明すると、生成AI型人材を好む大企業(JTC)の役員の好評価を得られます。

参考:大企業の社内競争は客観的な成果や能力より評判が重要な理由とは?

⑤大企業(JTC)では真剣勝負の技よりプロレス技が重要

真剣勝負の技とは、PL/BSにある程度大きな影響を与える可能性のある、リスクを伴う施策です。

プロレス技とは、結果より技をかけること自体を重視するPL/BSに関係のない施策、例えば「なんちゃって経営改革」などのパーフォーマンスとしての施策です。

大企業(JTC)の仕事は、あくまでも「1 ⇒ 1」ですから、これも当然です。

参考:大企業(JTC)の経営改革は何故いつも「なんちゃって」なのか?

早めに脱出しないと飼殺される理由とは?

転職市場で高学歴が通用するのは、20代のポテンシャル採用※2 が通用する間だけです。

 

※2 ポテンシャル採用とは、応募者の業界経験やスキルではなく、本人の資質や将来的な可能性を重視する採用方法  参考:20代の転職|大企業病が嫌いで転職するなら早めがよい理由と注意点

 

それを過ぎると転職できず、定年まで飼殺されることになります。

なぜなら、前述の通り、大企業(JTC)ではロクな仕事がない上に、以下の理由により、市場価値のある専門スキルが身に付かないからです。

①メンバーシップ型雇用のため、異動のたびに仕事の内容が変わる可能性がある

②資金力の潤沢さゆえに、専門スキルを要する業務を外部委託するため、社内にノウハウが蓄積されにくい

参考:大企業では転職スキルが身に付かないたった一つの理由と対処法とは?

 

 

まとめ

高学歴者にとって大企業(JTC)はあまりにも退屈な理由とは?

・大企業(JTC)のすごろく上がりのサラリーマン社長が「任期中、大過なく過ごす」ことに終始するため、能力を存分に発揮できる挑戦的な仕事が存在しないから

高学歴者にとって大企業(JTC)はあまりにも退屈な5つの実態とは?

①大企業(JTC)の仕事は「1 ⇒ 1(One to One)」

②大企業(JTC)で重宝されるのは生成AI型の人材

③大企業(JTC)は過剰なコンプライアンスが大好き

④大企業(JTC)のプレゼンテーションは内容より分かりやすさが大事

⑤大企業(JTC)では真剣勝負の技よりプロレス技が重要

早めに脱出しないと飼殺される理由とは?

・大企業(JTC)ではロクな仕事がない上に、以下の理由により、市場価値のある専門スキルが身に付かないから

①メンバーシップ型雇用のため、異動のたびに仕事の内容が変わる可能性がある

②資金力の潤沢さゆえに、専門スキルを要する業務を外部委託するため、社内にノウハウが蓄積されにくい

こぼれ話

大企業(JTC)に早々に見切りを付けたトップエリートが本郷バレーに集まりつつあります

本郷バレーとは、東京・本郷エリアに集まるスタートアップ企業の集積地です。

このエリアは、特にAI関連の起業家が集まり、AI開発に特化したスタートアップが活動しています。

引用:AI開発で注目を集める日本のスタートアップが集積する「本郷バレー」