ながら江雪の人生ノート

現役サラリーマンと定年シニアのお悩み解決

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日本を滅ぼす日本型雇用|サラリーマン飼殺しのトライアングルとは?

ユニクロの柳井正氏は、2024年8月26日に放送された日本テレビの報道番で、「日本の経営者が変革を恐れ、現状維持に固執している」と述べ、さらに「日本人は滅びるのではないか」と発言して大きな話題を呼びました。

高度経済成長期(1950年代半ばから1970年代初頭)に導入された日本固有のメンバーシップ型(新卒一括採用、終身雇用、年功序列)を柱とする日本型雇用※1 に固執し、経営環境が大きく変化したにもかかわらずこのまま継続すれば、日本のさらなる衰退※2 を招くことでしょう。

 

※1 日本型雇用の目的は、当時貴重であった労働力の長期的かつ安定的な確保でした。

※2 参考:日本の凋落ぶり(世界競争力、時価総額、名目GDP)

 

日本型経営を頑なに守り続けるJTC※3での、 40年間にわたる勤務を振り返ると、ほとんど自分の力を発揮することなく飼殺されて終わってしまったというのが筆者の正直な実感です。


※3  JTCとはJapanese Traditional Companyの略で、古い体質の日本の伝統的な大企業を揶揄するネットスラング

 

この記事を読めば、メンバーシップ型の大企業(JTC)ではサラリーマンが飼殺されて、自分の会社が嫌いになるメカニズムがわかります。

 

■この記事を読んで頂きたい人■
・大企業(JTC)の若手社員

 

■この記事でわかること■
①日本を滅ぼす日本型雇用によるサラリーマン飼殺しのトライアングルとは?

②「日本人はみんな自分の会社が嫌い」を示す調査データ
 
40年間もJTCで飼殺された筆者が、日本を滅ぼす日本型雇用によるサラリーマン飼殺しのトライアングルを解説します。

<自己紹介>

筆者本人(1960年生)

ロクな仕事がないJTCで飼殺されて退屈なので体づくりに励む
筋トレ歴17年 ボクシング歴11年

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2923年 退職

 

      

 目次

日本を滅ぼす日本型雇用によるサラリーマン飼殺しのトライアングルとは?

日本を滅ぼす日本型雇用によるサラリーマン飼殺しのトライアングルを以下に示します。

これは、メンバーシップ型雇用(新卒一括採用、終身雇用、年功序列)を続ける企業によって、個人が飼殺しのトライアングル・スパイラルに絡め取られていく様子を示した概念図です。

まず企業は、個人を専門スキルをもたないジェネラリスト(何でも屋の素人)に”育て”ます。

”育て”方は、終身雇用と年功序列による定年までの安心と引き換えに、個人に会社への忠誠と滅私奉公を”約束”させた上で、キャリアプラン※4 の主導権を会社が握ります。

 

※4 参考:キャリアプランの本当の意味と今後は真剣に考える必要がある理由とは?

 

そして、会社都合の異動でいいように使い回して、個人を市場価値のある(転職に必要な)専門スキルをもたないジェネラリスト※5 に”育て”上げます。

 

※5 ジョブ型雇用の欧米では、スペシャリストがマネジメントスキルを身に付けてジェネラリストになります。日本のように入社したときからジェネラリストという概念を欧米人は理解できないでしょう。欧米では、「何でも屋の素人」である日本のジェネラリストは無能社員の典型です。

 

こうなると、第二新卒としてポテンシャル採用が可能な20代以外は、年を重ねるごとに転職が難しくなり、ますます会社依存型にならざるを得ません。

大企業(JTC)の ”変革を恐れ、現状維持に固執している” 経営者の、優秀な人材を大量に集めてロクな仕事※6 も与えず飼殺している怠慢な経営が、日本の衰退を招く一因であると筆者は考えます。

 

※6 参考:大企業(JTC)はロクな仕事も無いくせに社員が多いたった一つの理由?

 

そして、こんな能力の無駄遣いでは仕事のやりがいは全くないので、みんな会社が嫌いになって当然です。

 

 

「日本人はみんな自分の会社が嫌い」を示す調査データ

アメリカの調査・コンサルティング会社 ギャラップ社(Gallup, Inc.)が発表した2023年版リポートでは、仕事や会社への熱意、貢献意欲などが高い「エンゲージしている社員」、すなわち「自分の会社が好きな人」はわずか5%で、4年連続で過去最低となっています(下のグラフ参照)。

【自分の会社が好きな人の割合】

出典=米ギャラップ「State of the Global Workplace 2023 Report

なお、日本の「自分の会社が好きな人」の比率5%は145カ国中で最下位です。

また、世界では「自分の会社が好きな人」が増えつつあるのに、日本は一向に増える兆しがありません(下のグラフ参照)。

【自分の会社が好きな人の割合の推移】

出典:同上

まとめ

日本を滅ぼす日本型雇用によるサラリーマン飼殺しのトライアングルとは?

この飼殺しのトライアングルは、20代に抜け出してキャリアプランでゴールを目指す働き方に転換しないと、アリ地獄のように抜け出せなくなります。

年を取ってから無理に抜け出せば、路頭に迷うことになりますので、やりがいのある仕事は諦めて飼殺されるしかありません。

筆者は、体づくりと趣味の世界にやりがいを求めました。

「日本人はみんな自分の会社が嫌い」を示す調査データ

【自分の会社が好きな人の割合】

出典=米ギャラップ「State of the Global Workplace 2023 Report

【自分の会社が好きな人の割合の推移】

出典:同上

参考:失われた30年に続く時代は会社依存が危険な理由とその対策とは?