
ダンスフィットネス界で絶大の人気を誇るミズノのウエーブダイバースには、以下のような魅力的な特徴があります。
①ボリューム感の割には驚くほど軽量で、長時間のレッスンでも疲れにくい
②クッション性能は、これ以上ないほど完璧
③グリップ性能は、まさに“スタジオの床に吸い付く”レベルの優秀さ
ネットで「ダンス用シューズ」と検索すると必ずウエーブダイバーズが表示されるので、筆者も迷わず購入し、一時期使用していました。
エアロビやズンバを踊っている間は特に不満はありませんでしたが、サルセーションを本格的に始めて上達するにつれて、ウエーブダイバーズでは踊りにくさを感じるようになりました。
今ではウエーブダイバーズより踊りやすい定番スニーカー(有名ブランドの王道モデル)6足をクラスによって使い分けています。
この記事では、ウエーブダイバーズでは踊りにくい理由や、より踊りやすい定番スニーカー(有名ブランドの王道モデル)について解説します。
また、この記事を理解するには、地面反発を活用した体の動かし方についての知識が必要ですので、これについても説明します。
②ウエーブダイバーズが踊りにくい理由とは?
③ウエーブダイバーズより踊りやすい定番スニーカーの事例
<自己紹介>

筆者本人(1960年生)
出世競争は早めに降りて体づくりに励む
筋トレ歴18年 ボクシング歴12年
ダンスフィットネス歴18年
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2923年 退職
目次
地面反発を活用した体の動かし方とは?
地面反発を活用した体の動かし方とは、文字通り地面に対して加えた力に対する地面からの反動を活用した身体操法です。
例えば、ボクシングのパンチでは、反動を足から股関節へ伝えて骨盤を回転させ、その回転力を体幹や肩に繋げていくことで、腕をリラックスさせた状態でキレのあるパンチを繰り出します。
筆者には、でんでん太鼓のイメージが一番しっくりきます。

そして、地面に力を加える際は、筋力で地面を蹴るというよりも、一瞬体の力を抜いて自重(体の重さ)を活用するのがポイントです。
これを古武術では「抜重(ばつじゅう)」と言います。
抜重による地面反発を活用した身体操作は、さまざまなスポーツで取り入れられており、トップアスリートたちは無意識のうちにそれを使いこなしています。
筆者はボクシング歴12年ですが、この地面反発を活用したパンチを無意識に出せるようになるまでに8年もかかりました。
サルセーションなどで抜重による地面反発を活用した身体操作ができると、筋力をあまり使わずに前後左右の動きをスムーズかつ素早く行えるようになります。
また、腕を使う動作でも、地面反発を利用すると、身体全体を使ったダイナミックでカッコいい動きになります。
その参考例として、次の動画の特に冒頭をご覧ください。
センターで踊っているのは、SMT(サルセーション・マスタートレーナー)のウラジミール・ジェロニモ(Vladimir Jeronimo)です。
どのSMTもそれぞれ踊り方に個性がありますが、彼は地面反発を上手く利用して、ダイナミックに体を動かすのが得意です。
ウエーブダイバーズでは踊りにくい理由とは?
ウエーブダイバーズが踊りにくい理由とは、これ以上ないほど完璧なクッション性能が逆に仇となり、地面反発がうまく利用できないからです。
もう少し具体的に言うと、ミッドソールとアウトソールが柔らかすぎることで、地面からの反発が吸収されて弱くなってしまいます。
さらに、地面からの反発が瞬時に体に伝わる感覚が失われるので、なんとなくふわふわした感じの中でダンスを踊っているといった感覚になります。
また、ターンやツイストなどでつま先や踵に体重を集中させる場合、優秀なグリップ性能も邪魔です。
ウエーブダイバーズより踊りやすい定番スニーカーの事例

下の画像の定番スニーカー(有名ブランドの王道モデル)は、筆者の私物です。
筆者は、現在、週4日スポーツクラブに通い、サルセーション3クラス、リトモス1クラス、バイラバイラ1クラスをこの定番スニーカーで楽しんでいます。

左から、メキシコ66、セラーノ(以上、オニズカタイガー)、アスレタ※1 O-Rei Futsal T008、スーパースター(アディダス)、エアジョーダン1(ナイキ)、ニューバランス550、もうすぐ、エアフォース1ミッドが仲間入りします。
※1 アスレタ(ATHLETA)は、1935年にブラジルで誕生した歴史あるスポーツブランド。特にサッカーとの関わりが深く、1958年から1974年までブラジル代表「セレソン」の公式ユニフォームサプライヤーでした。
メキシコ66やセラーノ(以上、オニズカタイガー)はソールが薄いため、床の感覚を感じやすく足と一体化します。
そのため、体重の支点をつま先から踵へ素早く移動させるクイックターンなど足裏の感覚が大切な動きには最適です。
また、バチャータやメレンゲなど、細かなフットワークが求められるラテン系ダンスにぴったりです。
クッション性はそれほど高くありませんが、スタジオプログラムで行うダンスくらいであれば、膝や腰への負担を心配する必要はないでしょう。
スーパースター(アディダス)、エアジョーダン1(ナイキ)、ニューバランス550のソールはどれも硬めで、ウエーブダイバーズより地面反発を効率よく活用できます。
ソールが厚めで重さはありますが、そのボリューム感が醸し出すファッション性や、人気定番スニーカーとしてのステイタスはやはり魅力的です。
さらに、どのスニーカーもバスケットシューズをルーツとしているため、前後左右の激しい動きにも耐えられる優れた耐久性を備えています。
最後のアスレタ O-Rei Futsal T008も比較的薄めのソールなので地面反発を十分活用できます。
また、現役の競技用フットサルシューズだけあって、耐久性がありそうです。
室内用のフットサルシューズは、どのモデルでも意外とダンスフィットネスシューズとして使えそうです。
まとめ
✔地面反発を活用した体の動かし方とは?
・地面に対して加えた力に対する地面からの反動を活用した身体操法
・地面に力を加える際は、筋力で地面を蹴るというよりも、一瞬体の力を抜いて自重(体の重さ)を活用するのがポイント
✔ウエーブダイバーズが踊りにくい理由とは?
・これ以上ないほど完璧なクッション性能が逆に仇となり、地面反発がうまく利用できない
・ターンやツイストなどでつま先や踵に体重を集中させる場合、優秀なグリップ性能も邪魔
✔ウエーブダイバーズより踊りやすい定番スニーカー(有名ブランドの王道モデル)の事例
・メキシコ66
・セラーノ(以上、オニズカタイガー)
・アスレタ※1 O-Rei Futsal T008
・スーパースター(アディダス)
・エアジョーダン1(ナイキ)
・ニューバランス550
(注)順不同
ウエーブダイバーズは一般向けには優れたダンスシューズですが、中上級者には物足りない一足です。
ファッション性も含めて、自分に合ったダンスシューズを選ぶことも、ダンスフィットネスの楽しさの一つです。
参考:定番スニーカーをダンスフィットネスシューズにするメリットとは?