ながら江雪の人生ノート

現役サラリーマンと定年シニアのお悩み解決

MENU

日本の労働~「量」「質」国際比較

①日本の労働~「量」の比較

引用元:データブック国際労働比較2017

グラフの2015年をみますと1,700時間台で、アメリカとイタリアよりは短いことになっています。

しかし、これには労働時間が短いパートタイマーやアルバイトなどの非正規社員も含まれています。

そして、日本では非正規社員の比率が高く、3分の1以上を占めています(総務省「労働力調査」より)。

そこで非正規社員を除き、一般労働者だけをみると2017年で2,040時間に跳ね上がります(下図グラフ参照)。

働き方改革で減少傾向にありますが、大きくは変わりません。

また、数字には表れないサービス残業もあり、先進国の中では日本は突出して労働時間は長いといえます。

引用元:一般社団法人 日本経済団体連合会 2020年 労働時間等実態調査

②日本の労働~「質」の比較

【主要先進7カ国の就業者1人当たり労働生産性】

【主要先進7カ国の時間当たり労働生産性】

引用元:労働生産性の国際比較2022  | 公益財団法人日本生産性本部

コロナ禍の2020~2021年は、日本の労働生産性を考える上では、ベースとなる就業者に休業者(雇用調整助成金などにより、失業を回避して休業扱いになっている人含む)が多く含まれていることも考慮する必要があります。

しかし、「就業者1人当たり労働生産性」、「時間当たり労働生産性」いずれも先進主要7カ国中ダントツ最下位です。

それにしても惨憺たるものです。

こぼれ話

どうして働かないフランス人より生産性が低いのか?

答えは、簡単です。

フランス人を含め欧米人は会社より家庭を大切にします。

ムダな仕事はやらず、効率よく仕事を終えてとっとと家に帰るからです。

③生産性が低いホワイトカラー

太田肇著「ムダな仕事が多い職場」より以下引用します。

日本生産性本部では、日本とアメリカの労働生産性を産業別に比較分析している。

(中略)

一方、金融、運輸、卸・小売、飲食・宿泊などサービス産業ではアメリカの三、四割台と大きく水をあけられている。

(中略)

そして、そこではホワイトカラーが大きな比率を占めているうえ、彼らは管理職、専門職として生産性に大きな影響を及ぼしている。

実際、ホワイトカラーが人余りである一方、エッセンシャルワーカー*1の人手不足が深刻です。(2023.⒑21NHK放送 NHKスペシャル「超・人手不足時代~危機を乗り越えるには」)

引用文献:太田肇著「ムダな仕事が多い職場」

④超ブルシットな日本の仕事

そもそもデヴィッド・グレーバーの2018年の著書は、英語圏を中心に世界中から250を超すBSJ証言を集め分類・分析したものでした。

その英語圏より、かなり生産性が低いと言うことは、日本の仕事には超ブルシットなムダが潜んでいることになります。

日本のGDPを「超長い労働時間×超低い生産性=超ムダな仕事」が押し下げているということになりそうです。

 

 

*1:エッセンシャルワーカーとは、我々の日常生活を維持するために不可欠な職業のことを言います。 例えば、医療、介護福祉、保育、教育、自治体・公共交通機関などの公共サービス、ガス・水道・電気・通信など生活インフラ、物流、生活用品を扱うスーパーやドラッグストア、コンビニなどの小売業などが挙げられます。