ながら江雪の人生ノート

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大企業(JTC)には無能な上司がなぜ多いのか?【4つの根深い原因】

「『何かあったら俺が責任をとる』なんてこと言う上司に限って、いざとなると逃げるし、上の意向次第で指示もコロコロ変わる😒」

「なんで、JTCには無能でセコイ上司が多いんだろう???😩」

こんな疑問にお答えします。

■この記事を読んで頂きたい人■
・無能で使えない上司に悩む大企業(JTC)の若手社員の方
(注)JTCとはJapanese Traditional Companyの略で、古い体質の日本の伝統的大企業を揶揄するネットスラング 
 
 
■この記事でわかること■
・大企業(JTC)に無能な上司が多い4つの根深い原因とは?

 

大企業(JTC)で長年にわたり無能な上司に仕えてきた筆者(2023年退職)が、大企業(JTC)には無能な上司が多い4つの根深い原因について解説します。

<自己紹介>

筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴16年 ボクシング歴10年

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職

 

      

 目次

大企業(JTC)に無能な上司が多い4つの根深い原因とは?

①企業成長を目指さないJTCでは人が育たない

すごろく上がりのサラリーマン社長では部下は育ちません

JTCの社長は、すごろく上がりのサラリーマン社長です。

ベンチャー企業などの創業社長のように、経営のエキスパートではありません。

彼らは「出世すごろく」で上がる(=社長になる)ことを目指してきたので、上がってしまえばゲームオーバーです。

後は任期中大過なく過ごすために、何らリスクを取ることなく現状維持を目指します。

したがって、社員は前例にならって管理的な業務をスピード感なく形式的に行うだけです。

企業成長を目指さない呑気な会社には、まともな仕事が無いので人は育ちませし、忖度しか能の無い無能上司でも勤まります。

大企業の中間管理職が早期退職などで中小企業に転職すると、使い物にならずに浮いてしまうそうです(引用:大企業出身マネージャーが中小企業で失敗する理由)。

こぼれ話

なぜJTCは凡庸なサラリーマン社長でも潰れないのか?

3つの理由です。

①社長の能力とは無関係の恵まれた経営資源(下請けからの搾取構造を含む)

②給料を上げずに、社員(特に非正規)から搾取し続けて貯め込んだ厚い内部留保

その証拠が、世界的に見て低い日本の賃金水準です(下図参照)。

【OECD加盟国35カ国の平均年収ランキング】凡例:日本OECD平均

引用:【2019年版】日本の平均年収は世界で何番目?

給与を抑制し、内部留保を増やすことで、どんなに怠慢な経営であっても、容易には現在の体制が崩壊しないような構造が築かれています(下図参照)。

【内部留保と粗利に占める人件費比率】凡例:内部留保人件費率ピンク

引用:積みあがる内部留保|リクルートワークス研究所 (works-i.com)

③政権を守るために潰れるべきJTCを税金で救ってリスクを先送りしたり、票や政治献金と引き換えにJTCを優遇する悪政政党『自民党』政権

自民党議員と大企業(JTC)の特権階級(上層部)は体質がそっくりです。

国民や社員の為ではなく、自分たちの利権や特権を守ることしか考えていません。

②共同体化したJTCの個人評価は、組織権力のいい加減な主観的評価

恵まれた経営資源にあぐらをかいて現状維持に終始するJTCは、日本的雇用慣行(新卒一括採用、終身雇用、年功序列)による社員の同質化と相まって、閉鎖的な「共同体」になっています。

企業の本来あるべき姿「機能体」と堕落した姿「共同体」の違いを表にしました(下図参照、引用:堺屋太一著「組織の盛衰」)。

現状維持に終始する共同体化したJTCの組織評価の尺度は「結束力と仲間意識」であり、理想の状態は「公平性と安住性」です。

そして以下のイエスマンが組織権力の主観的評価を得て、中間管理職を手に入れます。

①決して共同体の居心地を乱さない

②事なかれ主義の

③忖度に長けた人たち

JTCには個人の客観的評価を可能にするような仕事らしい仕事が無いために、個人評価の尺度は、組織権力のいい加減な「主観的評価による人気と人格」に依存してしまっています。

JTCの中間管理職は、仕事を部下に丸投げし、自分の評価を上げるための社内営業に熱心です。

彼らの有能さは「共同体」だけで通用するものであり、世間一般から見れば完全に無能です。

 

 

選別主義による身分制度

JCTでは入社時点で、学歴や性別、そして組織権力の好みとカンで、一定数の幹部候補が選別されます。

幹部候補としての身分を得た彼らは、短いタームで主要ポストを巡ります。

こういった選別主義は、少品種大量生産の時代(1980年代以前の工業社会時代)には、それなりに機能していましたが、現代のようにニーズが多様化・専門化して変化の激しいポスト工業社会では、むしろ弊害の方が多くなります。

何故かと言えば、彼らの仕事の経験と知識は広く浅いものであり、ポスト工業社会では素人集団と言わざるを得ないからです。

その素人集団エリート・ジェネラリストが上司となれば、適切な業務指示が出来ない上にプライドが高く、過剰な保身のために判断もしないので、ムダな仕事も増え、部下のモティベーションも下がります。

すごろく上がりのサラリーマン社長も選別主義と身分制度の恩恵で出世した人です。

こぼれ話

JTCには他にも様ざまな身分制度があります

学歴、性別、正規・非正規以外にも以下の差別があります。

①事務系と技術系の差別

②技術系でも系統(卒業学科)間の差別

③新卒プロパー社員と中途社員の差別

④総合職と一般職の差別

人事部に言わせれば、『同一労働では無い』と強弁しますが(笑)

こういった差別は日本に特有なものですから、これらの差別用語はほとんど英訳できません。

関連記事:【就活】大企業(JTC)の知られざる身分制度【経験者が実態を解説】

④万能型優秀神話の妄信

4つめの根深い原因「万能型優秀神話の妄信」は前項の「選別主義による身分制度」に関連します。

優秀さには、万能型(ジェネラリスト)と専門型(スペシャリスト)があります。

前項でも解説した通り、現代はニーズが多様化・専門化して変化の激しいポスト工業社会です。

万能型の優秀さは、全く通用しません。

仕事を知らない万能型の上司が、専門型の部下のモティベーションを上げて力を発揮させることは不可能です。

専門型はマネジメントできないと言う誤った思い込みが、時代遅れのJTCには残っています。

まとめ

大企業(JTC)に無能な上司が多い4つの根深い原因です。

①企業成長を目指さないJTCでは人が育たない

②共同体化したJTCの個人評価は、組織権力のいい加減な主観的評価

選別主義による身分制度

④万能型優秀神話の妄信

これらの弊害は、ここ30年の急激な日本凋落という形で表れています。

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