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【一級建築士の終の棲家】お金をかけない効果的な泥棒対策を紹介します

筆者自邸(終の棲家)

泥棒対策と言えば、防犯カメラが定番です。

しかし、防犯カメラだけでは「事後確認」の意味しかなく、犯罪の抑止効果は限られています。

また、警備会社にお願いしても警備員が駆けつけるまでに逃げられてしまい、不審者を侵入させると何も取られなくても、窓ガラスを割られたり、ドアを破られたり建物の損害を被ります。

防犯はお金をかけるより、泥棒の下見の段階で、泥棒から狙われない環境づくり(建築計画)が大切です。

この記事では、筆者の自邸(終の棲家)で採用した、お金をかけない泥棒対策の実例を交えながら、その具体的な方法を解説します。

■この記事を読んで頂きたい人■
・家を新築(一戸建て)するにあたって、泥棒対策が気になる方

 

■この記事でわかること■
①泥棒の侵入口は?

②泥棒に狙われやすい家とは?

③お金をかけない効果的な泥棒対策とは?

 

一級建築士の筆者が、一戸建てのお金をかけない効果的な泥棒対策について解説します。

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
主に大規模遊休地の不動産開発に携わる
分譲マンション開発(単独開発の他、大手不動産会社と共同開発)、戸建て分譲地開発(大手ハウスメーカー建築条件付き分譲地)を多数経験
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職

<資格>
一級建築士(管理建築士)

 

 

 目次

泥棒の侵入口は?

下のグラフをご覧ください。

戸建住宅や共同住宅の3階以下の部屋では、「窓」や「出入口」からの侵入がほとんど(90%以上)です。

出典:警視庁発表(平成27年)

泥棒に狙われやすい家とは?

泥棒に狙われやすい家は、侵入口となる窓や玄関・勝手口が隣接道路などから死角になっている家です。

具体的には、以下のような家です。

・外構が塀などで囲われているクローズタイプで、周囲から中が見えない

・庭の植栽で、侵入口となる窓や玄関・勝手口が死角になっている

・家の外の灯りが玄関ポーチだけで、回りが暗い

お金をかけない効果的な泥棒対策とは?

塀の無い筆者自邸(終の棲家)

①塀をつくらない

塀などは最小限にして、泥棒の侵入口(窓や玄関・勝手口)に対する隣接道路などからの死角を絶対につくらないようにするのが、根本的な泥棒対策です。

塀によるプライバシー確保と塀を設置しないことによる泥棒対策は、トレードオフ(両立しない関係)ですが、建築計画の工夫でそれを少しでも解消することは可能です。

次に、塀が無くてもプライバシーを守る工夫の実例をご紹介します。

通常、地盤面と1階床の段差は40cm以上あります。

この段差を利用して外部からの視線を遮断します。

室内からは外の様子が分かります(下図参照)。

下の画像は、筆者自邸(終の棲家)の実例です。

また、塀を無くすことにより、以下のメリットも生まれます。

ⅰ)塀の工事費が減る

塀の工事費が削減できる上に、塀のメンテナンス費用も節約できます。

ⅱ)植栽管理が楽

隣接道路側から植栽の管理が可能となるので、庭の手入れが大変楽です。

塀があると建物と塀の間の狭い空間での植栽管理となります。

ⅲ)敷地が広く感じる

道路との境界が塀で明確に仕切られると敷地が狭く感じられます。

逆に塀が無いと側溝部が道路との緩衝ゾーンとなり敷地が広く感じられます(下の画像参照)。

ⅳ)駐車が楽

塀があると決まった出入り口からの出し入れとなります。

塀が無いことで駐車が飛躍的に楽になります。

下の画像は、筆者自邸(終の棲家)の駐車スペースと隣接道路との境界です。

②視線を遮る植栽をしない

こんもり茂る生け垣などの死角をつくる植栽は避けます。

また、庭木に山採りの木の使うと下枝がないので、庭の見通しがよくなります。

下の画像は、筆者自邸(終の棲家)の山採りの木「アオダモ」です。

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③死角になりやすい窓は物理的に侵入不可能なものにする 

死角になりやすい隣地との境界にある窓は、人間が侵入できない大きさにします。

下の写真(筆者自邸)は横間口約24cmのたてすべり窓です。

実際のすき間は24cmもないので、とても人間の侵入は不可能です。

また、人間が侵入できるくらいの大きな窓が必要な場合は、固定窓(はめ殺し窓、FIX窓)にします。

理由は、鍵の部分だけ音を立てずにガラスを小さく割って、鍵を開けてこっそり侵入するのが泥棒の常套手段だからです。

わざわざガラスに大きな穴を開けて侵入するような間の抜けた泥棒はいません。

下の画像は筆者自邸(終の棲家)の庭に面した大きな固定窓です。

④夜間照明はケチらない

泥棒は暗がりを好みますので、センサーライトなどでしっかり照らしましょう。

下の画像は、筆者自邸(終の棲家)の夜間の様子です。

外部照明は、2系統を設置して、それぞれソーラータイマー※で管理しています。

就寝時間に1系統は消灯させています。

※ソーラータイマーは、タイムスイッチ内部に日本の各地域ごとの日出と日没の時間が登録されており、季節によって異なる日出・日没時間に合わせてオンオフ設定が可能なタイマースイッチです。これにより、照明などの電気設備を季節に応じて効率的に制御できます。

 

 

まとめ

泥棒の侵入口は?

「窓」や「出入口」からの侵入がほとんど(90%以上)

泥棒に狙われやすい家とは?

侵入口となる窓や玄関・勝手口が隣接道路などから死角になっている家

お金をかけない効果的な泥棒対策とは?

塀をつくらない

頑丈な塀は一見最強の防犯に思えますが、いったん中の侵入されれば死角になるため泥棒にたっぷり時間を与えることになります。

塀を設けないことにより、防犯効果のみならず以下のように複数のメリットがあります。

 ⅰ)工事費の削減

 ⅱ)植栽管理が楽

 ⅲ)敷地が広く感じる

 ⅳ)駐車が楽

②視線を遮る植栽をしない

③死角になりやすい窓は、物理的に侵入不可能なものにする 

④夜間照明はケチらない

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