「庭は欲しいけど、庭木の剪定や落ち葉の掃き掃除が面倒😞」
「年をとったら管理が簡単な庭がいいけど、そんな庭あるのかなぁ。」
こんなお悩み解決します。
※一戸建てを検討されている方ならどなたでも参考になります
②老後の住まいの庭の雑草を少なくする方法
今年(2023年)定年退職を契機に「終の棲家」を新築した筆者が、一戸建ての管理が簡単な庭のつくり方について解説します。
※この記事は、都内など大都市ではなく一般的な地方都市を前提としています。
※この記事は、マンションではなく一戸建て新築住宅を検討している方が対象です。
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職し、主に大規模遊休地の不動産開発に携わる|分譲マンション開発(単独開発の他、大手不動産会社と共同開発)、戸建て分譲地開発(大手ハウスメーカー建築条件付き分譲地)を多数経験
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職
<資格>
一級建築士(管理建築士)
目次
木の剪定と落ち葉掃除を減らす方法
①結論
庭には山採りの木を植えることをおすすめします。山採りの木とは、山に自生している樹木を掘り下ろした木のことです。
②山採りの木の特徴
山採りの木は山の中の限られた栄養分しかない環境で雑木と競り合いながら伸びているので、下枝が無く幹が細い樹形をしています。
木陰が多い山の中で日の当たる方向へ伸びようとするので幹がうねり、畑で成長させた木では作ることのできない自然木を感じることができます。
木陰の多い環境で育った山採りの木にとっては平地の直射日光は強すぎるため、造園業者は山から掘り下ろしたら一度畑に仮植をして慣れさせたものを庭に植えます。
③植えるメリット
ⅰ)剪定がほとんどいらない
葉が少ないため成長が遅くあまり枝が伸びません。
おすすめは葉の少なさとは関係なくそもそも成長がが遅いアオダモなどの樹種です。成長が遅い山採りの木はほとんど剪定がいりません。
ⅱ)落ち葉の掃き掃除が楽
葉が少ないので当然落ち葉の掃き掃除も楽です。なお常緑樹は落ち葉が無いように見えますが実は新芽の時期に結構落葉するものがあります。
ⅲ)里山のような癒しの空間を楽しめる
山採りの木を庭に植えた場合、将来的には山採りの華奢な感じは少し抜けてしまいますが樹形の雰囲気はわりと残ってくれるので里山のような癒しの空間を感じさせてくれます。
山採りは1本1本個性があり奥深く魅力的です。
④山採りの木の事例
アオダモ
ヤマザクラ
ヤマモミジ
雑草を少なくする方法
一般的には雑草対策としてグランカバープランツの園芸品種を植えますが、山採りの木を使った雑木の庭に合う品種が少ないことや繁殖力旺盛なものが多くカバープランツ自体の管理が大変になることから今回はおすすめしません。
①マルチング
地面に日光が届かなければ種が発芽せず雑草は生えません。うっそうと生い茂った森には下草が生えていないのも同じ理由です。
杉皮などのマルチング材で地面を覆えば雑草が生えずらくなります。
落ち葉もゴミ箱に捨てるのではなく庭の地面に捨てれば自然のマルチング材になります。
②苔庭
乾燥に強いスナゴケをつかえばある程度日当たりがよくても苔庭をつくれます。
午前中だけ日が当たるような場所のグランドカバーとしてスナゴケを使えば雑草対策になります。
昼過ぎから日陰になるスナゴケの庭(右側)
③雑草を活かす
雑草の中には野生のスミレのように観賞にたえるものも数多くあります。
自然にまかせ好みの雑草を放置し、一部好みに合わない雑草だけ抜くという方法もあります。
野生のスミレやカタバミなどの雑草の庭
まとめ
一戸建ての管理が簡単な庭のつくり方です。
✔①木の剪定と落ち葉掃除を減らす方法
⇒庭に植える中高木は成長の遅い山採りの木(葉が少ない)を使う
✔②雑草を少なくする方法
⇒ⅰ)マルチング、ⅱ)苔庭、ⅲ)雑草を活かす
最後に庭造りのおすすめ本をご紹介します。
荻野寿也*1の「美しい住まいの緑」85のレシピ(x-knowledge)
*1:1960年大阪府生まれ。1999年自宅アトリエが、第10回みどりの景観賞(大阪施設緑化賞)を受賞。以降、独学で造園を学ぶ。2006年設計部門として荻野寿也景観設計を設立。原風景再生をテーマに造園設計・施工を手がける。2015年三井ガーデンホテル京都新町別邸が、第25回日本建築美術工芸協会賞(AACA賞)優秀賞共同受賞。