「こんど50代を中心に、けっこうな規模で希望退職を募集するらしい」
「50代は転職が厳しいから大変だ」
「我々は50代になるまでに、どうしたらいいんだろう?😞」
こんなお悩み解決します。
※JTCとはJapanese Traditional Companyの略で、古い体質の日本の伝統的な大企業を揶揄するネットスラング
②これからのリストラに対応した働き方とは?
不条理な異動で定年より2年早く退職した筆者が、リストラが変わり始めた!これからのリストラに対応した働き方について解説します。
<自己紹介>
筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴17年 ボクシング歴11年
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職
目次
変わり始めたリストラとは?
下のグラフは、上場企業におけるリストラ(早期・希望退職)の推移です。
棒グラフはリストラを実施した企業の数を示し、折れ線グラフはリストラされた人数を表しています。
引用:株式会社東京商工リサーチホームページ TSRデータインサイト 2024年は上半期(1‐6月)
このグラフによると、今年(2024年)の希望退職募集人数は上半期(1~6月)だけで既に前年比1.5倍に増加し、年間1万人を超えるペースで進行中です。
この状況の背景には、リストラの目的の変化が一因として考えられます。
過去のリストラは、リーマンショック、東日本大震災、新型コロナウイルス感染症の拡大といった一時的な外部要因による業績の悪化を、人件費の削減でカバーすることを目的としていました。
しかし、最近はその目的に変化が見られます。
一つには、70歳まで雇用延長の時代を見越して、今のうちに給与が高いわりに生産性の低い40~50代の社員を追い出すことです。
もう一つは、企業が最新の技術に対応し競争力を維持するために、社員のスキルセットを見直す、平たく言えば、人件費が高いだけで専門スキルが無く使い物にならない40~50代の社員を中心に追い出して、専門スキルと即戦力のある中途社員を大量に採用することです。
2023年に富士通が実施したデジタルトランスフォーメーション(DX)*1を推進するためのリストラクチャリング(リストラ本来の目的である企業経営の構造改革や再構築)が好例です。
失われた30年の間、ポスト工業社会(需要の飽和とニーズの多様化・専門化が進み、その変化も加速した社会)*2への適応を怠ってきた日本の大企業(JTC)もやっと重い腰を上げ始めたということです。
これからのリストラに対応した働き方とは?
リストラの変化は、次のような時代の変化を反映しています。
・「組織の力」から「個の力」の時代へ
・ピラミッド組織からフラット組織の時代へ
・同質化した人材による「共同体」から多様性ある人材による「機能体」の時代へ
・ジェネラリストからスぺシャリスの時代へ
・社員の自前主義(純血主義)から中途社員の時代へ
要するに、
・メンバーシップ型からジョブ型や自営型、更にはプロジェクト型の時代へ
そして、これら時代の変化に対応した働き方は次です。
◎キャリアプランでゴールを目指す働き方
具体的には、
ステップ1:職種(専門スキル)を決めてゴール※を明確にする
※例えば、専門スキルを活かした起業家や経営者あるいは総括マネジャーになるとか、高度な専門知識とスキルが必要なM&A会社に就職し高い収入を得るなど
ステップ2:そのために必要なキャリアアップの戦略を練る
ステップ3:その戦略に従って転社し、自分の市場価値を高める
キャリアプランを意識した働き方によって市場価値のある専門スキルを身に付けていれば、リストラの対象から外れることも、また逆にリストラで割り増し退職金をゲットした上でキャリアアップ(給料アップ)できる転社(いわゆる転職)をすれば「リストラ成金」になることも可能です。
まとめ
✔変わり始めたリストラとは?
一時的な外部要因による業績の悪化を、人件費の削減でカバーすることを目的とするリストラから、以下2つの目的に変わりつつあります。
①70歳まで雇用延長の時代を見越して、今のうちに給与が高いわりに生産性の低い40~50代の社員を追い出す
②企業が最新の技術に対応し競争力を維持するために、社員のスキルセットを見直す、平たく言えば、人件費が高いだけで専門スキルが無く使い物にならない40~50代の社員を中心に追い出して、専門スキルと即戦力のある中途社員を大量に採用する
✔これからのリストラに対応した働き方とは?
◎キャリアプランでゴールを目指す働き方
具体的には、
ステップ1:職種(専門スキル)を決めてゴール※を明確にする
※例えば、専門スキルを活かした起業家や経営者あるいは総括マネジャーになるとか、高度な専門知識とスキルが必要なM&A会社に就職し高い収入を得るなど
ステップ2:そのために必要なキャリアアップの戦略を練る
ステップ3:その戦略に従って転社し、自分の市場価値を高める
*1:デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、AI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を活用して、業務フローの改善や新しいビジネスモデルの創出、レガシーシステムからの脱却や企業風土の変革を実現することを指します。これは、変化の激しい時代において、市場での競争優位性を維持するために、あらゆる企業にとって重要なテーマです。
AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータは、現代のデジタル技術の主要な概念です。AIは機械やコンピュータが人間のように学習し、判断する能力を持つ技術です。IoTはインターネットを介してデバイスやセンサーが相互に通信する技術で、ビッグデータは膨大な量のデータを分析し、価値ある情報を抽出するプロセスです。これらの技術は相互に関連し合い、多くの産業や日常生活に革新をもたらしています。
IoT(モノのインターネット)は、「Internet of Things」の略で、身の回りのさまざまな物がインターネットに接続される技術を指します。これにより、従来インターネットに接続されなかった物体がオンラインで繋がり、遠隔操作やデータ収集が可能になります。例えば、スマートフォンで家電を制御したり、自動車が通信して事故を防いだりすることができます。
*2:ポスト工業社会とは、失われた30年の間に、需要の飽和とニーズの多様化・専門化が進み、その変化も加速した社会です。具体的には、2010年代以降のGoogle、Apple、Facebook、Amazonなど巨大IT企業が世界の経済をけん引してきた時代が特にその象徴的な時代です。これに対し、工業社会とは、人口増による内需でモノをつくれば簡単に売れた少品種大量生産の時代で、日本では概ね1980年代以前の社会を指します。