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ロックバランシングのやり方とコツを第一人者が解説【筆者の制作方法も公開】

ロックバランシングのやり方とコツを第一人者が解説【筆者の制作方法も公開】

筆者 長良川にて

最近、ロックバランシングの記事を検索したら、石積み素人のブロガーが「いかがでしたかブログ(内容の薄いブログ)」を書いているのを目にしたので、満を持して日本の第一人者である筆者がノウハウをシェアすることにしました。

 

■この記事を読んで頂きたい人■
・ロックバランシング※に興味のある方
※ロックバランシングとは自然に転がっている石を積んでアート作品を制作する芸術活動です

 

■この記事でわかること■
①ロックバランシングの始め方とやり方

②筆者レベルの作品(中上級)の制作手順

③筆者レベルの作品(中上級)を制作するコツ

 

約1000の作品(数えたことがないので正確な数は分かりません)を制作(2023.12現在)してきた日本ロックバランシング界の第一人者が、ロックバランシングのやり方とコツ(筆者の制作方法も公開)について解説します。

(付記)作品のすばらしさを筆者のインスタグラムで是非お確かめください

 ☟

nagara_kousetsu(@nagara_kousetsu) • Instagram写真と動画

日本で筆者よりスゴイ作品を制作しているロックバランサーがいたら教えてください。

まずいないと思います(笑)

造形としての美しさだけでなく、色も含めた芸術性のある筆者の作品群は、日本においては秀逸です。

こぼれ話

ノーギャラではテレビに出ません

東海地区の複数のテレビ局やNHK、変わった所では銀座松屋(百貨店)の広告受託会社からオファーがありましたが、すべて断りしました。
理由は、ノーギャラだからです。
これだけの芸術作品をタダで提供するのはごめんです。
「テレビに出してやるから出ないか?」なんて冗談じゃありません。

ネタに困ったプロデューサーやディレクターがときどき話を持ち掛けますが、筆者は自分を安売りしません。

※この記事で使用している画像は全て筆者の作品です。

<自己紹介>

筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴16年 ボクシング歴10年

<筆者のロックバランシング歴>
2016年 ロックバランシング及びロックバランシング専門のインスタグラム開始
・インスタグラムに1000を超える投稿 
・作品の質の高さ、石の積み上げ技術において日本の第一人者

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職 
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職
<資格>
一級建築士(管理建築士)

 

 

 目次

先ず場所を探す

先ず、石が転がっている川原か海岸を探してください。

できれば風の吹くことが多い海岸より川原の方がベターです。

重力に挑戦するロックバランシングにとって風は大敵です。

風速2mでも優れた作品は、超微妙なバランスで立っているので崩れます。

最近の河川は、ほとんどが護岸ブロックなどによる護岸工事で川原は消滅していますので、川の上流を探してみてくだい。

川の上流でロックバランシングをやる場合、以下2つの注意点がありますので充分注意してください。

①渓流釣りとのバッティング

②野生動物との遭遇

こぼれ話

川は生き物です。危険です!

ロックバランシングをやっている場所に雨が降っていなくても、上流で大雨が降れば急に増水します。
そんなに神経質になる必要はありませんが、上流の天気は気にしてください。
あまり自然をなめてると本当に怖い目に会います。

ロックバランシングのやり方とコツを第一人者が解説【筆者の制作方法も公開】

石を探す(その1)

先ず最上部の石(以下「トップ」)を探します。

できるだけ大きく、少なくとも一カ所は尖った石です(下の画像参照)。

最上部の石如何で、その作品の全体の魅力と価値が決まります。

如何に大きな石を最小限の接点で立てるかが勝負どころです。

まだこの段階では、とにかくトップになりそうな石を複数集めます。

「これだ!」という石に巡り合うには、かなり時間がかかりますので、結構忍耐強さが必要です。

 

ロックバランシングのやり方とコツを第一人者が解説【筆者の制作方法も公開】

 

 

作品をイメージする

次に自分が作りたい作品の全体像をイメージします。

下の画像は筆者の作品エスキス(スケッチ)ノートのご紹介です。

赤いマーカーは作品と格闘してなんとかやっつけた(完成した)印です。

どんな作品をつくったらよいかイメージがわかない人は、筆者のインスタグラムから好みの作品を選んで参考にしてください。

ロックバランシングのやり方とコツを第一人者が解説【筆者の制作方法も公開】

石を探す(その2)

トップ以外の石を探す段階です。

エスキスに基づいて必要となる石を探してください。

しかし、なんといっても自然相手ですから思うような石は、なかなか見つかりません。

ここで重要なのは、妥協と柔軟性です。

妥協した石で、目指す作品の完成予想図を微修正してください。

わざわざエスキスを書き直さなくても、頭の中で微修正すれば結構です。

ロックバランシングの魅力の一つが、実はこのアドリブ性にあります。

アドリブによって、最初考えた作品よりよくなった時の達成感はひとしおです。

そういうことは、めったにありませんが(笑)。

石を積む

いよいよ石を積みます。

積むというより、重力に挑戦して立てるという感覚が必要です。

石の表面のほんの小さな凹凸を利用します。

筆者の作品のようなアメイジングな作品をつくるためには、想像を絶する集中力が必要です。

完全に無我の境地になり、石と一体化します。

はっきり言って誰かが傍で見ていたら、集中できませんので石は立ちません。

トップの石を乗せた時、初めて全体のバランスが完成します。

ですから、トップの石が崩れたら、作品を構成する石は一つ残らず崩れます。

もし一つでも残っていたら、良い作品とはいえません。

積み木のように、一つづつ積んでいくのは賽の河原の石積です(笑)。

下の画像では、左手でトップの石の重量を下の石に加えてバランスをとり、右手に持ったトップの石と重量の交換を終えた段階です。

これから集中力を増して、エントロピー(乱雑になろうとするパワー)*1で石が崩れようとする力と戦うところです。

通常、筆者は取材を断りますが、長良川をピーアールする地元の雑誌でしたので受けました。

カメラを向けられていますので、この時は初中級の作品を積んでいます。

ロックバランシングのやり方とコツを第一人者が解説【筆者の制作方法も公開】

筆者本人 長良川にて

 

 

写真を撮る

中上級のアメイジングな作品は、ちょっとした風でいつ崩れるか分かりませんので、心を落ち着かせつつ慌てて写真を撮ることが重要です。

シャッターを押そうとした瞬間に崩れたことも何度もありました。

慌てると焦ってカメラがどこにあるか一瞬分からなくなりますので注意が必要です。

また、同じ姿勢で長時間集中していますので、足がしびれていることがありますのでこれも要注意です。

もう一点大切な注意事項ですが、作品を制作する場所は撮影のことも想定して充分に検討して決めてください。

作品の背景に何が入り込むのかよく確認の上、制作に取り掛かってください。

せっかく苦労して作品が出来て写真を撮ったら、背景のせいで作品の見栄えが悪くなるということはよくあります。

作品を崩す

作品を残して帰ると万が一のこともありますので、帰る時に崩してください。

もったいないような気もしますが、この儚さが自然と遊ぶロックバランシングというアートの本質です。

作品の置き場に苦労しなくてもよいのもロックバランシングの魅力だと考えてください。

作品が崩れる貴重な動画がご覧になれます。

nagara_kousetsu(@nagara_kousetsu) • Instagram写真と動画

まとめ

先ず場所探しですが、川原で川のせせらぎや自然の空気を感じながらアートを楽しむことをおすすめします。

どの川でも上流に行けば川原はあります。

中上級クラスのアメイジングな作品をつくる手順です。

①石探し(その1)

大きくて、どこかが尖ったトップの石を探します

②作品をイメージしたラフなスケッチ制作

③石探し(その2)

トップ以外の石を探しますが、思うようには見つかりませんので妥協と作品の微修正が必要です。

④石を積む

重力に挑戦するためには、究極の集中力と石と一体化する瞑想状態が必要です。

⑤写真を撮る

作品が完成したらいつ崩れるか分かりませんので、冷静に急いで撮影してください。

また、作品の背景をよく確認して、石を積むポイントを決定してください。

⑥作品を崩す

万が一のこともありますので、帰る時には作品を崩してください。

ロックバランシングは、自然を一切破壊することの無い持続可能なSDG's*2な遊びです。

ロックバランシングの魅力やメリットは他にもいろいろあります。

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*1:系の乱雑さ・無秩序さ・不規則さの度合を表す量で,物質や熱の出入りのない系ではエントロピーは減少せず,不可逆変化をするときには,常に増大する。

*2:SDGsとは「持続可能な開発目標」。簡単に言うと「世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題といった課題を、世界のみんなで2030年までに解決していこう」という計画・目標のこと。