定年後の健康寿命を延ばすには、生活習慣の改善が欠かせません。
生活習慣の改善では、適度な運動がよく強調されますが、食事と睡眠の習慣も同様に、あるいはそれ以上に重要です。
②食事と睡眠の習慣改善~具体的な改善方法とは?
40代後半から食事と睡眠の習慣改善に取り組んだ筆者が、食事と睡眠の習慣改善は50代からがよい理由と改善方法について解説します。
<自己紹介>
筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴16年 ボクシング歴10年
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職
目次
食事と睡眠の習慣改善は50代からがよい理由
サラリーマンにとって、生活習慣を改善することは、健康診断や人間ドックの際に繰り返し指摘される課題です。
特に、責任ある立場の40代はストレスが多い世代であり、検査結果が思わしくないことも多く、その度に生活習慣を改善する必要性を感じてはいますが、忙しさにかまけてなかなか実行に移せないのが現実です。
50代になればサラリーマンとしての先も見えて、会社への滅私奉公の呪縛からも徐々に解放され、生活習慣改善の余裕が生まれてきます。
また、場合によっていは役職定年が待っています。
そうなれば、生活習慣を改善するチャンス到来です。
「静かな退職」を選択したり「働かないおじさん」となって、会社ではなく自分の人生に目を向けて、定年後の人生を充実させる準備を開始することも可能です。
筆者は40代後半から不条理な会社に見切りをつけて「静かな退職」を選択し、生活習慣の改善に専念しました。
食事と睡眠の習慣改善~具体的な改善方法とは?
食事と睡眠の習慣改善とは、以下を行うことです。
①食事と睡眠の規則正しいリズムを取り戻す
②食事を通じて腸内環境を改善し、太りにくい体質を手に入れる
以下、順に解説します。
①食事と睡眠の規則正しいリズムを取り戻すには「体内時計」が有効
1)体内時計とは?
体内時計とは、体内の時間軸を調整するシステムで「概日リズム」とも言います。
以下、引用します。
概日リズム(がいじつリズム)とは、約25時間周期で変動する生理現象で、動物、植物、菌類、藻類などほとんどの生物に存在している。
一般的に体内時計とも言う。
厳密な意味では、概日リズムは内在的に形成されるものであるが、光や温度、食事など外界からの刺激によって修正される。
このように私たちの体の中には時間のリズムを刻むメカニズムがあり、1日単位で調整しています。
体内時計を整えるには、時々朝日や夕日を浴びることが必要です。
2)体内時計に従った食事
体内時計が整っていると、自然と以下のように理想的な食事のリズムが形成されます。
【理想の食事】
・朝ごはんを摂る理想的な時間帯は、朝6時から7時
・寝る2~3時間前には食事を終える
・夕食から朝食までを長くとり内臓を休ませる
具体的には18時~6時 12時間空けている
3)体内時計が誘発する睡眠
体内時計を活用して生活リズムが整うと、決まった時間に眠くなり、無理なく以下のような理想の睡眠が手に入ります。
【理想の睡眠】
・睡眠時間は6~8時間
・成長ホルモンが多く分泌する時間帯22時から~2時の間は就寝
ゴールデンタイムと言われる22時から2時の間に深いノンレム睡眠をとれば、この間に成長ホルモンが分泌され筋肉や体の機能を修復してくれます。
②腸内環境を改善し、太りにくい体質を手に入れるには「和食」中心の食生活が有効
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌が存在しますが、善玉菌を増やし腸内環境を整えるためには、食物繊維と発酵食品を豊富に摂ることができる和食が有効です。
また日和見菌は、食べ物からのエネルギーの吸収力が違う「ヤセ菌」と「デブ菌」の2種類に変化することが最近の研究で判明しており、和食は「ヤセ菌」を増やし、洋食は「デブ菌」増やします。
「ヤセ菌」を増やす食材は以下の通りです。
①食物繊維
水溶性:ゴボウなど根菜類、ワカメなど海藻、大麦など穀類
不溶性:レンコンなど根菜類、玄米など穀類、大豆など豆類
不溶性:水溶性=2:1の比率で摂るのがよいとされています
②発酵食品:味噌、納豆、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルトなど
③レジスタントスターチ:イモ類、シリアルなど
レンコンの植物繊維は不溶性で水分を吸収して著しくふくらみ、腸の蠕動運動を促します。
しかも、有害物質もろとも体外に排出します。
便秘解消や肥満防止のみならず、腸内環境を整え、血糖値の上昇防止やコレステロールの吸収抑制などにも役立ちます。
「れんこんパウダー」を味噌汁やヨーグルトなどに入れれば毎日手軽に摂れます。
引用記事:腸からはじめる全身アンチエイジング - 日本経済新聞 (nikkei.com)
3番目のレジスタントスターチとは、体内で消化されない(レジスタント)でんぷん(スターチ)のことで「難消化性でんぷん」とも呼ばれ、食物繊維と同様の機能を持つことで注目されています。
レジスタントスターチで特に注目すべきは、ただの食物繊維ではなく発酵性食物繊維だということです。
発酵性食物繊維は、善玉菌のエサとなって発酵し増殖をサポートするとともに、腸内を悪玉菌が増えにくい弱酸性に保ってくれます。
レジスタントスターチ「バーリーマックス」の食物繊維量はごぼうの4倍、玄米の約7倍、一般的な大麦の約2倍の量を誇ります(下のグラフ参照)。
引用:スーパー大麦「バーリーマックス」【公式】 | ビオリエ | 帝人株式会社 (biolier.jp)
まとめ
✔食事と睡眠の習慣改善は50代からがよい理由です。
50代になればサラリーマンとしての先も見えて、会社への滅私奉公の呪縛からも徐々に解放され、生活習慣改善の余裕が生まれる
✔食事と睡眠の習慣改善~具体的な改善方法です。
①食事と睡眠の規則正しいリズムを取り戻すには「体内時計」が有効
②腸内環境を改善し、太りにくい体質を手に入れるには「和食」中心の食生活が有効