ながら江雪の人生ノート

現役サラリーマンと定年シニアのお悩み解決

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終の棲家の設計と工事|注文住宅のベストな発注先を一級建築士が解説

筆者自邸

「終の棲家こだわって建てたいんだけど、どこにお願いするのがベスト?」

「人生最後のマイホームをどこに発注するか迷うなぁ~」

こんなお悩み解決します。

■この記事を読んで頂きたい人■
①終の棲家(老後の住まい)を一戸建て注文住宅で検討しているシニア

②終の棲家(老後の住まい)を新築するために、発注先として
「注文住宅ハウスメーカー」または「建築家+工務店」を検討しているシニア

 

■この記事でわかること■
①注文住宅発注先の選択肢3つと主な特徴

スーパー工務店の6つの条件

③注文住宅ハウスメーカーよりがスーパー工務店よい3つの理由

④設計事務所+工務店よりスーパー工務店がよい3つの理由

 

今年(2023年)定年退職を契機に「終の棲家」を新築した筆者が、注文住宅のベストな発注先をユーザー目線で解説します。 

※この記事は、都内など大都市ではなく一般的な地方都市を前提としています。

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職し、主に大規模遊休地の不動産開発に携わる|分譲マンション開発(単独開発の他、大手不動産会社と共同開発)、戸建て分譲地開発(大手ハウスメーカー建築条件付き分譲地)を多数経験
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職

<資格>
一級建築士(管理建築士)

 

 

 目次

発注先の選択肢3つとそれぞれの主な特徴

選択肢1.注文住宅ハウスメーカー

・ブランドの社会的価値が非常に高く絶大な人気がある。

・耐震性能や省エネ性能は高い

・原価を落とすため建材は自然素材ではなく工業製品がメイン。

・デザインは商品ラインナップからの選択となり、間取りも制約がある。

⇒ 多額な広告宣伝費等が建物原価に上乗せされるため、デザイン・間取り・仕上げ材(工業製品)などを規格化することによりコストダウンを図っている。

選択肢2.建築家+工務店

・デザイン性があり間取りの自由度は高いが、設計費(工事費の10~15%)は高い。

・住宅設計の建築家は非常に数が多く選ぶのが難しい。

・耐震性能や省エネ設計よりデザインが優先されることがある。

・建築家と工務店が初顔合わせの場合、チームワークが不安である。

・工務店は、大手ハウスメーカーのように多額の広告宣伝費等を建物原価に上乗せさせなくてもいいため品質の割にお値打ちな価格で発注できる。

⇒ 建築家の設計費の割高感と工務店の工事費の割安感の組合せ

選択肢3.工務店

・デザイン力、設計力に欠ける工務店が多い。

・中小企業がほとんどで売上・利益は社長の手腕次第。

・商品が差別化されていないと価格競争となり経営が不安定な工務店が多い。

 

 

スーパー工務店の6つの条件

工務店の中でも以下の条件を満たす優良な工務店が増えつつあります。

①意匠、耐震、省エネ(断熱性・気密性など)全てについて設計力がある。

②年間の着工棟数を一定数に調整管理し品質確保に努めている。

③意匠、耐震、省エネや自然素材、職人の手仕事などで商品の差別化が図れている。

④商品差別化による安定受注により、質の高い職人(大工、左官等)を常に確保できている。

⑤受注物件の建物グレードにムラが無く、常に同一レベルの建物受注のため設計や施工の練度が高い。

⑥ドミナント戦略で効率的な経営を行っている(商圏を広範にとると非効率)。

ハウスメーカーよりスーパー工務店がよい3つの理由

①間取りはフルオーダーが可能である。

②自然素材や職人の手仕事などハウスメーカーにはない魅力がある。

③広告宣伝費などの経費が原価に乗らないため、原価の高い自然素材や職人の手仕事などを採用しても大手ハウスメーカーと工事単価は変わらない。

筆者自邸 漆喰塗り 左官の鏝(こて)跡

建築家+工務店よりスーパー工務店がよい3つの理由

①設計施工事例の現物を発注前に複数確認できる。

②設計と施工のチームワーク力(設計・施工段階での双方協力)に安定感がある。

③十分な耐震性能や省エネ性能と飽きのこないデザインで使いやすい家になる。

まとめ

何を優先するかによって以下のようにまとめられます。

①ブランド力を優先する人 ⇒ 注文住宅ハウスメーカー

②個性的なデザインを優先する人 ⇒ 建築家+工務店

③自分の生活サイズにピッタリ合う間取り、耐震・省エネ性能、自然素材や職人の手仕事を全てセットで求める人 ⇒ スーパー工務店

3軒目でやっと理想の家に出会えると言います。皆さんの人生最後の理想は何でしょうか?