「省エネ住宅が増えて、家の気密性が高くなってきたけど、シックハウス対策は大丈夫?」
「シックハウス対策には自然素材の家がいいって言うけど、どんな自然素材を使えばいいんだろう?」
「どんな業者に頼めば自然素材の家ができるんだろう?」
こんなお悩み解決します。
②自然素材の家のつくり方を知りたい人
③特に化学物質過敏症の人
②一般的な家に使われている内装材の危険性
②自然素材がよい理由
③自然素材の家のおすすめ発注先
健康住宅には自然素材は必須です。
今年(2023)定年退職を契機に自然素材で「終の棲家」を新築した筆者が、健康住宅には自然素材が必須【完璧なシックハウス対策】について解説します。
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職し、主に大規模遊休地の不動産開発に携わる|分譲マンション開発(単独開発の他、大手不動産会社と共同開発)、戸建て分譲地開発(大手ハウスメーカー建築条件付き分譲地)を多数経験
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職
<資格>
一級建築士(管理建築士)
目次
- 自然素材の家と一般的な家の違い
- 合板フローリング、ビニールクロス とは?
- 無垢の木、漆喰とは?
- 自然素材でいい家をつくれる業者は?
- なぜハウスメーカーは自然素材を使わないのか(使えないのか)?
- まとめ
自然素材の家と一般的な家の違い
主要な内装仕上げ材である床材・壁材・天井材を一般的な家と自然素材の家で比較しました。
それぞれ最もよく使われる代表的な事例です。
それでは材料の特徴などを順を追ってご説明します。
合板フローリング、ビニールクロス とは?
①合板フローリング
a) 概要
薄い板を接着剤で重ね張りした合板の床材です。
有名なハウスメーカーから、町の工務店、設計事務所が設計した家までも、ほとんどがこの合板の床材です。
この合板フローリングは、伸び縮みが大変少なく反りが来ません。
表面にごく薄いナラ材などの突板*1を張り、見た目も美しくしてあります。
b) 危険性
しかし、そこには石油製品の接着剤が大量に使われています。
ホルムアルデヒドの揮発量が基準値内に収まったとしても、代替えの薬品がどれだけ人体に安全かはまだ明確に保証されていません。
人の健康に害を及ぼす不安のある建材でつくられた家で、毎日安心して過ごせるでしょうか?
②ビニールクロス
a)概要
ビニールクロスは石油からつくられる化学製品で価格がたいへん安い材料です。
この壁装材がこの50~60年の間に急速に普及し、壁や天井の内装材として主流を占めてきました。
合板フローリングと同様に、建売住宅だけでなく有名なハウスメーカーも町の工務店もほとんどがこのビニールクロスを使っています。
ビニールクロスは石油が原料なので、何にでも似せて作ることができ、しかも安く大量生産できます。
施工もビニールクロスの裏に糊を一回塗って張るだけなので簡単できれいに張れます。
従って施工費も安く爆発的に人気がでました。
b)危険性
ところが1990年代にこのビニールクロスに大きな問題が発生しました。
ビニールクロスの裏に塗る糊に含まれている大量のホルムアルデヒドが原因で、住んでいる人たちの健康を害する事例があちこちで報告されるようになりました。
③シックハウス対策に関する法規制の現状
a)建築基準法
深刻化するシックハウス問題に対し、行政も重い腰を上げ2003年の7月1日にようやく建築基準法が改定されました。
改定のポイントは、ホルムアルデヒドの規制、クロルピリホス(防蟻剤)の使用禁止、そして換気の奨励です。
ホルムアルデヒドの規制は、放出がゼロになったのでは無く室内濃度基準が0.08ppmの範囲ならホルムアルデヒドの放出は大丈夫となりました。
人それぞれ個人差があるため、化学物質過敏症の方のように基準値以下にも反応する場合もあります。
b)建築基準法を守っていれば大丈夫?
ホルムアルデヒドだけではなく、室内に充満するVOC(揮発性有機物質)は実に様々です。
これをひとつひとつ規制していくのは、あまりに種類が多くて非常に困難といえます。
また、省エネ住宅の普及につれ住宅の気密性が急速に高まっています。
VOCを完全に排除しなければ、その気密性により健康被害を拡大することになります。
これからは、石油化学製品を一切使わない施工や建材の使用など、もっと抜本的な対策を考えていく必要があります。
無垢の木、漆喰とは?
①無垢の木
a)無垢の木のよさ
無垢の木の良さをまとめました。
①体にやさしく心地よい(有毒な化学物質を発生させない)
②木は暖かく優れた断熱材
③調湿作用があり結露しない
④経年変化が楽しめる
b)なぜ一般的に使われないのか?
住宅メーカーや建材メーカーは、無垢の木が反ったり伸縮したりする自然の動きをデメリットと捉え、変化しない固定した石油化学製品の建材を売り続けてきました。
その結果、多くの人をシックハウス症候群で苦しめることになりました。
品確法*2でも、建築の精度の許容値を1000分の6までと定め、家の施工精度の判断基準としてきました。
この基準に照らしますと、伸び縮みする無垢の木は欠陥品ということになってしまいます。
有毒ガスを発生させる石油化学製品の建材こそ欠陥品だとは思いませんか?
②漆喰
a)漆喰の良さ
漆喰の良さをまとめました。
①空気浄化能力
②脱臭効果
③強アルカリ性による殺菌力
④調湿効果
⑤全く燃えない不燃材
⑥驚くほど汚れない
参考記事:「漆喰」のメリット・デメリットと実例集|All About(オールアバウト)
筆者自邸の漆喰壁:ノーベル物理化学賞受賞「グラフェン」配合漆喰
参考記事: 世界から認められた本漆喰塗り壁材 「グラフェンストーン」
b)漆喰と珪藻土の違い
珪藻土は吸湿性に優れていて人気が高い素材ですが、珪藻土そのものに接着能力がないのでアクリル系接着剤(石油系)を混ぜて使用することになります。
外壁での使用ならよいですが室内ではやはり問題ありそうです。
自然素材でいい家をつくれる業者は?
自然素材のいい家をつくるならスーパー工務店をおすすめします。
詳細は筆者の過去記事でご確認ください。
なぜハウスメーカーは自然素材を使わないのか(使えないのか)?
下図はハウスメーカーとスーパー工務店の原価比較(イメージ)です。
ハウスメーカは多額の広告宣伝費や本社費*3を、規格化と大量生産でコストを抑えた構造材や建材、プレハブ工法*4による労務費削減でまかなっています。
当然、ハウスメーカーは材料原価が高く職人の労務費がかかる自然素材は使えません。
一方、規模が小さく効率経営のスーパー工務店では、工事原価に占める広告宣伝費や本社費の比率は小さなものです。
その分自然素材をふくめ品質の良い建物をつくることが可能となる訳です。
結果的には、注文住宅ハウスメーカーとスーパー工務店の工事単価は同等になります。
まとめ
一般的な家の建材はまがいもの、にせもので満ち溢れています。
木もどきのもの、石のまがいものや漆喰に似せたものなどです。
それらは安物というだけではなく、人の健康を害することもあります。
健康で長生きできるいい家は自然素材が必須です。
自然素材の家とは、無垢の木と漆喰を内装材に使った家です。
無垢の家のメリットをまとめました。
✔①体にやさしく心地よい(有毒な化学物質を発生させない)
✔②木は暖かく優れた断熱材
✔③調湿作用があり結露しない
✔④経年変化が楽しめる
漆喰のメリットをまとめました。
✔①空気浄化能力
✔②脱臭効果
✔③強アルカリ性による殺菌力
✔④調湿効果
✔⑤全く燃えない不燃材
✔⑥驚くほど汚れない
自然素材のいい家をつくるならスーパー工務店をおすすめします。