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【一級建築士の終の棲家】駅近のマンションより一戸建て注文住宅です

筆者自邸(終の棲家)

終の棲家(老後の住まい)として、駅近(えきちか)のマンションを選ぶことは確かに多くの利点があります。

交通の便が良く、日常の買い物や通院にも便利です。

また、セキュリティが整っており、高齢になっても安心して暮らせる環境が整っています。

さらに、庭の手入れなどの必要がなく、生活が楽になるというメリットもあります。

しかし、これが全ての人に当てはまるわけではありません。

この記事を読むことで、自分のライフスタイルに合った終の棲家が本当はどのようなものかを再考するためのヒントが得られます。

■この記事を読んで頂きたい人■
・終の棲家として駅近の分譲マンションを検討中の50~60代

 

■この記事でわかること■
①駅近の分譲マンションはおすすめできない3つの理由とは?

②一戸建て注文住宅をおすすめする4つの理由とは?
※この記事は、都内など大都市ではなく一般的な地方都市を前提としています。

 

一級建築士の筆者が、終の棲家(老後の住まい)は駅近のマンションより一戸建て注文住宅がよい理由についてユーザー目線で解説します。

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
主に大規模遊休地の不動産開発に携わり、
分譲マンション開発(単独開発の他、大手不動産会社と共同開発)、戸建て分譲地開発(大手ハウスメーカー建築条件付き分譲地)を多数経験
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職

<資格>
一級建築士(管理建築士)

 

 

 目次

駅近の分譲マンションはおすすめできない3つの理由とは?

筆者自邸(終の棲家)

①駅近の分譲マンションは割高

分譲マンションの高騰が続いており、東京23区では平均価格が1億円を優に超えています(2023年現在 不動産経済研究所調べ)。

原因は、用地取得費と建設費の高騰ですが、地方都市でも主要駅の周辺では分譲マンションの価格が割高になっているケースが増えています。

特に、大都市へのアクセスが良く、商業が集積している拠点駅では、需要が高まり地価が上昇する傾向があります。

また、地方都市においても、駅近の分譲マンションは投資物件としての人気が高く、価格を押し上げる要因になっています。

②専有面積は狭くて間取りは平凡

分譲マンションは値段の割に狭くて間取りは平凡ですが、最近は原価(用地取得費と建設費)の高騰で、その傾向がさらに強まっています。

なぜなら、

・早期に完売するには、一戸当たりの販売価格を抑える必要がある

⇒ 販売戸数を増やして、高騰した原価(用地取得費と建設費)を薄める

⇒ 要するに、一戸当たりの面積を小さくする

⇒ その結果、間取りの自由度も減って何の特徴も無い平凡なものになる

というわけです。

③仕上げ材が低品質

最近の分譲マンションは、高騰した原価(用地取得費と建設費)を抑えるために、仕上げ材の質もかなり落としています。

モデルルームの内装仕上げは、オプション仕様(追加料金を払ってグレードアップした仕様)なのでそれなりに見えますが、標準仕様は一昔前に比べるとかなり安普請(やすぶしん)です。

ちなみに、オプション仕様と言っても石油化学製品を利用した建材しか選択できません。

一般的な分譲マンションで自然素材(漆喰、無垢の木、石材など)を使うには、購入後リフォームするしかありません。 

 

 

一戸建て注文住宅をおすすめする4つの理由とは?

筆者自邸(終の棲家)

①定年後は駅近より幹線道路に近い方が便利

「老後は何かと便利な駅近のマンションがいい」

これって本当でしょうか?

単なるマンション業者のセールスコピーではないでしょうか?

確かに、地方の拠点駅には飲食店やカルチャースクール、スポーツジムなどが揃っていますが、手荷物があるため、結局は車で出かけることになるのです。

本当に駅近のメリットを享受できるのは、会社勤めの間の徒歩通勤だけです。

最近のシニアはいたって元気で車でどこにでも行きますので、駅近の高価格なマンションを買うより、幹線道路に近い少し郊外の割安な土地に終の棲家を建てたほいうが便利です。

土地より家にお金をかけるのが、賢いお金の使い方です。

②同じ価格で、分譲マンションより品質のよい住宅が手に入る

駅近マンションが割高になる主な理由は、土地の入札競争によって高騰した土地の仕入れ価格にあります。

少し郊外の割安な土地に終の棲家を建てれば、その差額で分譲マンションより品質のよい住宅が手に入ります。

分譲マンションよりも品質のよい住宅とは、具体的に次のような特徴を持っています。

1)オーダーメイドの住空間

充実した老後を送るためには、自分のライフスタイルや好みに合致する住空間が不可欠です。

2)自然素材の内装

ビニルクロスや合板フローリングなど石油化学製品を利用したの建材では、完全なシックハウス対策は不可能です。

老後は、自然素材(漆喰、無垢の木など)を使った健康住宅に住みたいものです。

下の画像は、左がマンションで多用されるビニールクロス、右が筆者自邸の漆喰壁、無垢オークのフローリング、大谷石の床です。

3)庭のある家

工夫次第で管理の楽な庭も可能です。

老後は自分の庭で四季の変化をゆっくりと楽しむのが理想ですね。

【関連記事:終の棲家|一戸建ての管理が簡単な庭のつくり方を経験者が解説

なお、分譲マンションは、不動産会社(開発と販売)と建設会社の2社が関わるため、その分の販売管理費もふくらみ、販売価格を押し上げます。

そして、販売管理費は、不動産会社と建設会社が大手になるほど大きくなります。

③災害時は一戸建ての方が有利

東南海トラフ地震が話題になってます。

マンションは一戸建て住宅に比べると、電気・ガス・水道等のライフラインやエレベーター、機械駐車設備などの停止で日常生活に支障がより多く出ることが考えられます。

一方、一戸建ての場合は、災害に備えた諸設備を設置することによりライフラインを自己防衛できます。

電気については、太陽光発電システムや蓄電池の設置で当面の電気を賄えます。

また、エコキュートを設置していれば貯湯タンク内の水を生活用水として使用することが可能です。

そしてすぐ外に出られるというのは、なんといっても安心です。

④老後は駐車スペースから玄関までが近い方がいい

老後は、駐車スペースから玄関までの距離が近くて、できれば屋根付きで雨に当たらない動線が絶対に楽です。

また、地方都市で夫婦二人がアクティブな老後を過ごすためには車2台が必須アイテムです。

マンションで2台分の駐車スペースを確保することはまず無理ですが、一戸建てなら十分可能です。

まとめ

駅近の分譲マンションはおすすめできない3つの理由とは?

①駅近の分譲マンションは割高

②専有面積は狭くて間取りは平凡

③仕上げ材が低品質

一戸建て注文住宅をおすすめする4つの理由とは?

①定年後は駅近より幹線道路に近い方が便利

②同じ価格で、分譲マンションより品質のよい住宅が手に入る

③災害時は一戸建ての方が有利

④老後は駐車スペースから玄関までが近い方がいい

定年後は、家にいる時間がどうしても長くなります。

終の棲家を高品質な住空間にすることの意義は、想像以上に大きなものです。

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