週刊ダイヤモンド編集部の調査(2022年アンケート調査 有効回答数211件)では、社員3001人以上の企業で75%の企業が役職定年制度を導入しているにもかかわらず、社内規定などで明文化していない企業が多く、その存在や詳細を知らされていません。
中には役職定年直前に初めて、個別に制度の存在を知らされることもあります。
以下、週刊ダイヤモンドから引用した調査データをシェアします。
40年間の大企業でのサラリーマン人生を終えて今年(2023年)退職した筆者が、大企業の役職定年制度の実態と限界について解説します。
<自己紹介>
筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴16年 ボクシング歴10年
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職
目次
役職定年~大企業の実態
役職定年の対象となる年齢
55~59歳:64%
60歳以上 :24%
50~54歳: 9%
その他 : 3%
役職定年による年収の減少幅
11~30%減:53%
31~50%減:18%
その他 :29%
役職定年の対象となる役職
役員を除く全管理職:44%
課長以下の全管理職:24%
部長以下の全管理職:18%
係長以下の全管理職: 4%
その他 :10%
役職定年後の仕事内容
同一部署で同じ業務 :46%
同一部署で異なる業務 :21%
異なる部署で異なる業務:15%
異なる部署で同じ業務 : 5%
子会社等に出向か転籍 : 3%
その他 :10%
役職定年制はもう限界
2025年4月から定年制を採用している企業は、65歳定年制が義務化されます。
さらに2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法により、70歳定年が努力義務となり、ゆくゆくはそれも義務化される可能性が高い状況です。
役職定年制度を今のままにしておけば、今後、以下のような状況が起こります。
①50代で役職定年になれば、70歳まで最悪20年近く「給料が下がり、部下を失って、モチベーションがすっかり落ちた部長以下の元管理職が場合によっては同じ職場に居続ける」ことになる
②それを見た社員のモチベーションは当然下がり、もともと低い従業員エンゲージメント は底をつく
役職定年制が限界なのは明らかです。
まとめ
大企業の役職定年制度の実態です。
対象年齢:55~59歳が最も多い(64%)
年収の減少:11~30%減が最も多い(53%)
対象となる役職:役員を除く全管理職が最も多い(44%)
仕事の内容:同一部署で同じ業務が最も多い(46%)
引用:週刊ダイヤモンド
今後も更なる定年延長の義務化が予想されるため、役職定年制度もその厳しさは増すでしょう。