ながら江雪の人生ノート

現役サラリーマンと定年シニアのお悩み解決

MENU

【転職】スタートアップの現状|魅力と注意点を大企業との比較で解説

「大企業病には、もううんざりだ😩」

「スタートアップが気になるけど、どうなんだろう?」

「大企業のほうが無難は無難だけど、、、、、一生ここにいるのも???」

こんなお悩み解決します。

■この記事を読んで頂きたい人■
・大企業病にうんざりで、転職を検討中の主に20代のサラリーマンの方
 
 
■この記事でわかること■
①日本のスタートアップの現状~世界比較と政府の取組み

②スタートアップの魅力と注意点を大企業との比較で解説

 

伝統的な大企業(JTC)で40年間のつまらないサラリーマン人生を送ってしまい、スタートアップにあこがれる筆者が、スタートアップの現状|魅力と注意点を大企業との比較で解説します。

<自己紹介>

筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴16年 ボクシング歴10年

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職

 

      

 目次

スタートアップの現状

スタートアップとは?

経済産業省の『スタートアップエコシステム整備促進に関する調査事業報告書』によると、スタートアップ企業の特徴は以下の3つです。

特徴1:短期間での急成長

特徴2:そのために、商品やサービスの開発を通じてイノベーションを起こし、新しい市場やビジネスを開拓する

特徴3:出口戦略は、事業や株式の売却または株式上場による資金回収

スタートアップとは、もっと分かりやすく言えば、いわゆるGAFA*1のことです。

世界との比較

想定時価総額が10億ドル以上の未上場スタートアップ企業=「ユニコーン」数の世界比較です。

日本は2020年2月の段階でまだわずか7社しかないのに比べ、アメリカや中国は200社を超えており、イギリスやインド、ドイツ、韓国といった国も2桁を超えています。

日本が後れを取っている理由

理由の一つとして、機関投資家からの資金供給が十分でなく、その結果ファンドの規模が小さいことが挙げられます(下図参照)。

ベンチャーキャピタル投資額の対GDP比率が、日本はわずか0.03%しかありません。

中国の0.791%、アメリカ0.4%、イスラエル0.378%に比べれば、日本はわずか20分の1~10分の1の規模です。

ここから見てとれるのは、リスクを取らない日本企業の体質です。

そして、リスクを取らないのは企業だけではありません。

日本がスタートアップに遅れをとっているもう一つの理由は、不十分な教育改革のためにリスクを取ることができる創造的な人材が不足していることです。

また、若い世代がリスクを取らないのは、日本型雇用システム(新卒一括採用や終身雇用制)にも原因があります。

この雇用システムは、「失敗した場合、責任を取って会社を辞めるようなことになれば、海外と違って転職は不利となり、場合によってはその後の人生に大きなマイナスをもたらしてしまう」という誤った思い込みを生むからです。

日本では、今も「転職」が過度に重く受け止められがちです。

こぼれ話

本郷バレーの実情

世界中から天才が集まるシリコンバレーで何兆円という大金と世界的な名声を狙うより、競争がゆるい日本で億万長者を狙った方が確率は高いと本郷バレーの国内外の若者が考えています。

以下、橘玲著『不条理な会社人生から自由になる方法 働き方2.0vs4.0』から引用します。

日本で起業して成功した中国の若者のインタビューを読んだら、「シリコンバレーなら自分は絶対つぶされていた。日本を選んだからこそ成功できた」と答えていました。

日本政府の後押し

日本政府もここ30年の急激な日本凋落に危機感を抱いており、スタートアップ育成を「新しい資本主義」実現にむけた重要政策の一つと位置づけています(下図参照)。

引用:経済産業政策局004_03_00.pdf (meti.go.jp)

政府は2022年11月、スタートアップ育成強化に関する5カ年計画をまとめました。

日本では7社(2020年2月現在)にとどまるユニコーン(企業価値が10億ドル以上の未上場企業)を将来的に100社に増やすことを目標を掲げ、基金を通じて事業を支援します。

スタートアップへの投資額を年間8000億円規模(2022年現在)から2027年度には10兆円規模に引き上げることも盛り込まれました。

引用:ユニコーン100社目標 政府がスタートアップ5カ年計画 - 日本経済新聞

 

 

スタートアップの魅力と注意点を大企業との比較で解説

大企業(左)とスタートアップ(右)の職場のイメージ

組織について

組織に関しての違いを表にまとめました。

大企業とスタートアップは真逆の組織です。

大企業は、”限定された市場を独占していたり、競争力が突出した優良な経営資源により凡庸な社長でも経営が安定している” ため、組織の目的は「体制の現状維持」となり、全くと言っていいほどリスクを取る意思決定をしません。

2009年に約7900億円の大赤字を出して経営危機に陥り、その後大胆な経営改革でV字回復をみせた日立や、デジタルカメラの登場や印刷技術の進歩により写真フィルムの需要減少が明らかとなって経営改革を行った富士フイルムのように、儲けの仕組みが崩壊しない限り大企業は何もしません。

当然、遅い意思決定などの大企業病が蔓延しています。

一方で、スタートアップはイノベーションを通じて新しい市場を切り開き、短期間で急速な成長を遂げることを目指す組織です。

仕事と個人の関係性

組織の性格が真逆なので、当然、組織と個人の関係や個人に求められる能力も表に示したように全く違います。

大企業での仕事のやりがいの無さは、組織が一方的に割り当てる、個人の意向とは無関係な仕事を組織の歯車としてこなすことやマイクロマネジメントに起因します。

また、大企業で求められる個人の能力や特性は、輪を乱さない協調性や忖度できる人柄です。

このように大企業は、能力のある人にとっては不条理な世界です。

一方、スタートアップでは個人の裁量や責任範囲も明確で、個人が主役の自立型社員として働くことができます。

また、スタートアップで求められる能力は、創造力や即戦力(大企業のように悠長に人を育てている時間は無い)、そして簡単に諦めることなく問題解決できるサバイバル力です。

業績評価

モチベーションに直結する業績評価の違いを表にまとめました。

大企業では組織の歯車の一つとして働くので、個人の能力や業績はよく分かりません。

したがって、業績評価は評価項目が細かな人事評価シートはあるものの評価者(上司など)の情意評価になってしまいます。

情意評価とは、やる気やがんばりなどを評価者の主観で評価する人物(好き嫌い)評価です。

これも、能力のある人にとっては不条理な業績評価です。

一方、スタートアップでは、個人の業績評価は市場の目を通して会社のPL/BSに現れるため、客観的な評価が可能になります。

魅力と注意点

スタートアップの魅力と注意点を大企業と比較して表にまとめました。

「仕事のやりがい」や「市場性のあるキャリアアップ」は大企業とは比べ物になりませんが、もちろん注意点もあります。

倒産リスクと給与など労働条件ダウン(転職時点)のリスクです。

ただし、このリスクの捉え方は、「終身雇用で一生涯一企業」という日本型の捉え方とは全く違います。

大企業のサラリーマン感覚ですと「倒産したら、人生おしまい」的な悲壮感漂うものですが、スタートアップの場合は「ダメなら他のスタートアップがある」といった感じです。

倒産経験も決してネガティブなものではなく、スタートアップ業界ではむしろキャリアアップにつながります。

また、長時間労働の割に給与が低いなど労働条件のダウン(転職時点)もキャリアへの投資と考えればポジティブに評価できます。

スタートアップは、終身雇用や年功序列とは無縁な世界ですので、転職を繰り返してキャリアアップしていくことが常識の世界です。

プロスポーツのクラブチーム選手が、移籍を繰り返して自分の市場価値を高めていくのと同じです。

スタートアップの世界は、実力がモノを言う世界です。

自分の能力を高く買ってくれるところにどんどん移ればいいのです。

 

 

まとめ

日本のスタートアップの現状は、世界的に見ると発展途上です。

その原因は、投資資金不足と人材不足です。

日本政府もここ30年の急激な日本凋落に危機感を抱いており、スタートアップ育成を「新しい資本主義」実現にむけた重要政策の一つと位置づけています。

スタートアップに転職すれば、大企業では不可能な「仕事のやりがい」を手に入れることができます。

また、終身雇用と引き換えに会社に渡していたキャリアのオーナーシップを自分に取り戻してスキルを磨き、「市場性のあるキャリア」を手に入れることもできます。

倒産リスクと給与など労働条件ダウン(転職時点)のリスクはありますが、スタートアップ業界は労働力の流動性が高く、キャリアアップにより自己の市場価値を高めることも充分可能です。

スタートアップ業界は、大企業のように組織が個人を恣意的(いいかげん)に評価する不条理な世界ではなく、市場が個人を評価する実力の世界です。

JTCに40年も塩漬けだった筆者から見れば、羨ましい限りです。

■関連記事■

 

 

*1:AFAとはGoogle、Apple、Facebook、Amazonの4社の頭文字をとってつくられた言葉です。