定年後のヨコ社会でそれなりに人間関係を築いて孤独を回避するためには、情報のアップデートではなく価値観のアップデートが必要です。
しかし、現代は価値観のアップデートが難しい時代です。
なぜなら、情報をアップデートすればするほど、フィルターバブル*1によって価値観は固定化していくからです。
この記事を読めば、凝り固まった既成の価値観をアップデートして、定年後の孤独を回避する手がかりを得ることができます。
②定年後に孤独なオジサンにならないために必要な価値観のアップデートとは?
40代後半からくだらない出世競争は止めて価値観のアップデートに取組んだ筆者が、定年後に孤独なオジサンにならないために必要な価値観のアップデートについて解説します。
<自己紹介>
筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴17年 ボクシング歴11年
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職
目次
孤独が健康に与える悪影響とは?
日常生活での社会的交流が職場に限られていた人は、定年退職を迎えると、社会的な孤立感や喪失感、そして孤独を感じることになります。
そして、その孤独がもたらす健康への影響は深刻であり、抑うつの増加、認知機能の低下、免疫機能の衰え、心筋梗塞や脳卒中のリスクの増大など、多岐にわたることが明らかになっています。
三菱総研の調査によると、孤独によって死亡リスクは26%、認知症発症リスクは64%増加します(下図参照)。
引用:三菱総研|孤独・孤立は健康に悪い|社会課題ポータル (mri.co.jp)
定年後に孤独なオジサンにならないために必要な価値観のアップデートとは?
①過去の肩書ではなく「時価」が大事
オジサン研究家の岡本純子氏によると、嫌われるオジサンの「8大禁忌症状」として以下が指摘されています。
①むっつりオヤジ
②威張るオヤジ
③ダメ出しオヤジ
④説教オヤジ
⑤昔話オヤジ
⑥自慢オヤジ
⑦キレるオヤジ
⑧文句オヤジ
いずれも今の自分ではなく過去の自分の肩書やプライドが、なんらかの形で影響しています。
肩書や肩書によるプライドは、会社という閉鎖的なムラ社会だけで通用するものであり、しかもそれは過去のものです。
定年後に接する社会は、タテ社会である会社組織とは真逆のヨコ社会です。
タテ社会とは、個々の人間的な側面とは関係なく、名刺が示す上下関係でつながる社会です。
一方、ヨコ社会とは、個々の人間が直接つながり、仲間関係が横に広がる社会のことで、「今ここ」での個々の人間的な側面(個人の時価)が関係に大きく影響します。
ヨコ社会でタテ社会の論理を振りかざせば、嫌われて当然です。
肩書とは、ムラ社会だけで通用する単なる関係性であり、ムラ社会から離れれば消滅するモノです。
定年後のヨコ社会では、「今ここ」での時価だけがモノ言う社会です。
定年後の孤独を回避するには、定年を迎える前に、肩書の洗脳から抜け出しておくことが大事です。
②中身ではなく「見た目」が大事
「見た目」よりも「中身」が大事とよく言われますが、その「中身」を相手に伝えるのは容易ではありません。
一方、「見た目」は無条件で相手に伝わってしまします。
タテ社会では名刺が人間関係のスタートであったように、ヨコ社会では「見た目」が人間関係のスタートです。
言ってみれば「見た目」は、ヨコ社会の「名刺」なのです。
また、見た目を気にすることは、食生活やファッションなどにも意識が向かうため、心身ともに良い影響を及ぼすそうです。
詳しくは、精神科医 和田秀樹著『60代からは見た目の壁』をお読みください。
まとめ
✔孤独が健康に与える悪影響とは?
三菱総研の調査によると、孤独によって死亡リスクは26%、認知症発症リスクは64%増加
✔定年後に孤独なオジサンにならないために必要な価値観のアップデートとは?
①過去の肩書ではなく「時価」が大事
②中身ではなく「見た目」が大事
*1:フィルターバブルとは、個人の過去の検索履歴に基づいてパーソナライズされた情報のみを受け取ることにより、ユーザーが偏った信念や価値観を持つようになる現象を指します。この状態では、ユーザーは自分の興味や信念に合った情報だけに囲まれ、異なる情報から隔離されてしまうため、自身の価値観に疑問を投げかけたり、視野を広げる情報に触れる機会を失います。