ながら江雪の人生ノート

現役サラリーマンと定年シニアのお悩み解決

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大企業病の原因となるトップの特徴を老子の教えから読み解く

「一番病」企業のビッグモーター

「上が言うから仕方ない」

「現場の苦労も知らないくせに」

大企業病の理由を今年(2023年)40年間のサラリーマン人生を終え定年退職した筆者が、老子*1の教えから読み解きます。

 

■この記事を読んで頂きたい人■
・大企業にお勤めのサラリーマンの方

 

■この記事でわかること■
・老子の教えから見た大企業病の原因となるトップや上司の特徴

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職 
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職

 

 

 目次

老子の教えから読み解く

儲けの仕組みが確立されている大企業(勝ち組企業)は、管理の色が濃く組織として停滞気味です。

守り一辺倒のうえ官僚的でブルシット・ジョブ(くそどうでもいい仕事)*2が多い。

そういった企業の経営者は経営者という名の管理者が多いのが実態です。

「一番病」企業のビッグモーターもそんな企業だったようです。

 以下「老子の教え あるがままに生きる」(安冨歩著 ディスカヴァー トゥエンティワン) から参考になる文章を引用し、サラリーマン経験40年の筆者コメントも添えます。

老子 あるがままに生きる エッセンシャル版

老子 あるがままに生きる エッセンシャル版

  • 作者:安冨 歩
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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老子の教え1

支配者が頭を回さなければ、うまく治まる。 

支配者が、賢しらな者を重用すると、ろくなことにはならない。
民衆が、無意味に競い合うのは、そのためだ。
(中略)
人々が、余計なことに頭を回し、
余計な物を欲しがったりしないように、常に配慮する。
頭の回る者にも、あえてその頭を回させないようにし、
もちろん自分も頭を回さない。

そうすれば、必ずやうまく治まる。              (3章)

大企業ではこういった考え方のトップはほとんどいませんね。

企業のトップは現場を尊重せず自己の保身のために「賢しらな者」を重用します。

現場の仕事を知らない出世を約束されたジェネラリスト(賢しらな者)が上司としてやって来て、いろいろ現実離れしたアイデアを出しブルシット・ジョブを増やす。

その取り巻きは地頭はいいが倫理観はなく自分の出世しか興味がない。

老子の教えは、実際には通用しない知恵を出すジェネラリストではなく現場を知るスペシャリストを重用し、現場の士気を上げればうまくいと言うことでしょう。

老子の教え2

最も優れた統治がおこなわていると、
下々の者は支配者の存在を知っているだけだ。

最も優れた統治が行われていると、
下々の者は、支配者の存在を知っているだけである。
その次に優れた統治が行われていると、
下々の者は、支配者に親しんで誉める。
その次に優れた統治が行われていると、 
下々の者は、支配者を畏(おそ)れる。
それより劣った統治が行われていると、
下々の者は、支配者を侮蔑する。
上に立つ者の言葉が、
その心と一致していなければ、信頼されることは無い。
(後略)                   (17、18、19章)

上に立つ者は承認欲求を持ってはいけないということですね。

下から誉められることだけが承認欲求を満足させるのではなく、下の者を畏れさせて従わせることも承認欲求を満足させる行為です。

そういう意味では、パワハラも承認欲求のなせる業です。

現実社会では一番劣った「侮蔑される上司」が多いですね。

 

 

老子の教え3

 無理をしてもうまくいかない。

 無理をして、つま先立つ者は、立っていられない。
 無理をして、自分を見せようとする者は、称賛されない。
 無理をして、自分で見ようとする者には、事態は明らかにならない。
 自分でやったことを、自慢する者に、功績は挙げられない。
 高慢な者は、人の上に立つことはできない。
(後略)                         (24章)

こういうトップや上司ごろごろいますね。

つま先立って転げそうになるといつもその尻ぬぐいは部下がやるはめになります。

たまにコースに乗っている人の尻をぬぐったことで気に入られ出世する人もいますが、そういう幸運な人は稀ですね。

老子の教え4

 ものごとをあまりにも愛おしむと、
 ひどく失うことになる。

(前略)
ものごとをあまりにも愛おしむと必ず、 ひどく失うことになる。
多くため込めば、必ずやごっそりと持っていかれる。
それゆえ、満足を知るなら恥辱を受けず。
とどまるところを知るなら、あやういことはなく、
長く久しく生きられる。                  (44章)

今(2023年)話題の「一番病」企業ビッグモーターそのままです。

ビッグモーターもそうですが、創業者の息子(2代目)が会社を潰すことおおいですね。

儲けたお金や跡継ぎを創業者があまりにも愛おしむと、かえってひどく失うということです。

中小企業の2代目も会社経営より相続税対策に熱心で、よくタワーマンションを物色しています。

まとめ

大企業にお勤めの皆さんは、給料がそこそこいいので毎日が苦痛でもなかなか会社を辞めれませんが、先が見えたら意識を仕事から自分の定年後に移すことをおすすめします。

定年後の世界は大企業のムラ社会(共同体)とは全く違う世界です。

早めにその準備に取りかかることが大切です。

こぼれ話

大企業病の一種「一番病」について

 この病には、まだ特効薬は無いそうです。罹るとなかなか治らないそうなので皆さん気を付けましょう

一番病』(いちばんびょう)は、水木しげるによる日本の短編漫画作品、並びに作中に登場する病名。初出は『ビッグコミック』(小学館)1969年10月25日号。元々は、同誌にシリーズ連載されていた『水木氏のメルヘン』の一編だが、独立した読み切り作品である。

引用元:一番病 - Wikipedia

 

 

*1:老子は周の時代に生きたとされる諸子百家の一人で、同時代に生きた孔子や荘子と並んで、中国を代表する思想家としてとらえられています。しかし、その生涯は謎に包まれており、本当に老子という人物がいたのかは定かでない

*2:ブルシット・ジョブとは、米国の人類学者デヴィッド・グレーバー教授が著書「ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論」で提唱した概念