「あんなにうれしかったテレワークだけど、最近はもう会社に行きたくなってきた」
「なんか部下が目の前にいないと不安だ😩」
「リモート飲み会も盛り上がらなくて、やめちゃった」
「どうしてみんな会社に行きたがるんだろう?」
こんな疑問にお答えします。
②日本でテレワークが定着しない5つの理由とは?
40年間の大部屋オフィスでのサラリーマン人生を終え退職した筆者が、海外に比べ日本にテレワークが定着しない理由について解説します。
<自己紹介>
筆者本人(1960年生)
筋トレ歴16年 ボクシング歴10年
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職
目次
日本のテレワーク利用率の実績
①日本のテレワーク利用率~世界との比較
引用元:世界各国との比較
日本のテレワーク利用率は世界と比べて低水準です(上のグラフ参照)。
コロナ前のテレワーク率は一桁です。
②コロナ禍以降のテレワーク利用率の推移(日本)
引用元:第9回テレワークに関する就業者実態調査(速報)|NIRA総合研究開発機構
2023年3月現在の利用率は、ピーク時(2020年4~5月)の半分程度まで下がりました。
引き続き下降傾向です(上のグラフ参照)。
日本にテレワークが定着しない5つの理由とは?
①一人では「がんばり」を周囲から見てもらえない
日本企業の業績評価は情意評価、すなわち「がんばり度」評価です。
仕事の「質」は分かりにくいですが、「がんばり」という「量」は分かりやすものです。
真面目に仕事をするふりをしてダラダラと残業すれば、残業代も稼げますし頑張っていることになります。
テレワークでは「がんばり」を見てもらえません。
②部下のマイクロマネジメントができない
上司の「重要な仕事」であるマイクロマネジメント※が実質できません。
※ マイクロマネジメントとは、上司や管理者が細部にわたって従業員の仕事を監視・管理することを指します。このような管理スタイルは、従業員のモチベーションや創造性に悪影響を与えることが多く、ストレスの原因となることもあります。上司が従業員を信頼せずに細かい指示を出し続けることで、従業員が自主的に行動する機会が減り、業務の効率が低下する可能性があります。
心配になって何度も進捗状況を聞いたり、一度に聞けばいいのに、思い出してはいろいろ聞くことが難しくなります。
パソコンを通してでは、部下の従順さも薄れます。
③上司の承認欲求が満たされない
マイクロマネジメントは、上司と部下の間だけに意味があるわけではありません。
どうでもいいことで部下を呼びつけて、部下を指導しているところを他の部下に見せつけるところにも意味があります。
上司らしいところを周囲にみせつけて、自分の承認欲求を満たすのです。
そもそも日本の管理職が、個室に入らず大部屋にいるのはそのためです。
海外では大部屋があってもそれぞれパーティションで区切られていますし、管理職は当然個室です。
④会議のセレモニー機能が薄れる
やはり大会議室で全員が10分も前に集まり、会議で一番偉い人をお迎えしないと会議の意味がありませんね (笑)。
重要な会議(セレモニー)に限って、リモート会議システムの調子が悪かったり、ベテラン社員は慣れていないのか大声になります。
また、建制順に画面を表示することにこだわって手間取ったり、慣れないリモート会議ではセレモニーとしての機能が充分に果たせません。
⑤仕事の分担が不明確なので、そもそも一人では仕事が進まない
上司と部下や、課をまたがっての業務遂行など「一致団結」で仕事を進める日本企業ではテレワークは不向きです。
大部屋でみんなでワイワイ言いながら仕事を進めていたわけですから、テレワークの定着は無理に決まっています。
そもそもコロナで強制的にみんなバラバラになっただけのことです。
仕事の進め方を根本から変革しなければテレワークは定着しません。
まとめ
✔日本のテレワーク利用率は世界的に最低レベルです。
✔日本にテレワークが定着しない5つの理由です。
①一人では「がんばり」を周囲から見てもらえない
②部下のマイクロマネジメントができない
③上司の承認欲求が満たされない
④会議のセレモニー機能が薄れる
⑤仕事の分担が不明確なので、そもそも一人では仕事が進まない