ながら江雪の人生ノート

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定年後の生活にユングの「幸福の5つの条件」が特に必要な理由とは?

分析心理学(ユング心理学)の創始者、カール・ユング

 

ユングの「幸福の5つの条件」をご存じですか?

この「5つの条件」は、個人が感じる幸福感に寄与するとされていますが、定年後は、その効果が更に大きくなると筆者は考えます。

この記事を読めば、より幸せな定年後の生活を送るためのヒントが得られます。

■この記事を読んで頂きたい人■
・間もなく定年を迎える方や、既に定年後の生活を送っている方
 
 
■この記事でわかること■
①ユングの「幸福の5つの条件」とは?

②定年後の生活に「幸福の5つの条件」が特に必要な理由とは?

 

ユングの「幸福の5つの条件」を実践してきた筆者が、定年後の生活にユングの「幸福の5つの条件」が特に必要な理由について解説します。

<自己紹介>

筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴17年 ボクシング歴11年

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職

 

      

 目次

ユングの「幸福の5つの条件」とは?

スイスの精神科医で心理学者カール・ユングは、人間の幸福に必要な5つの条件を提唱しました。

ユングによれば、これらの要素が揃っている時、人は真の幸福を感じることができるとされています。

具体的には、

条件1:健康であること

条件2:ほどよいお金があること

条件3:美しいものに感動できること

条件4:人とうまくやれる能力を持っていること

条件5:朝起きた時に、やるべきことがあること

と定義されています。

これらは単なる理想ではなく、実現可能な目標として、私たちの日常生活に取り入れることができるものです。

そして、定年後は、その必要性は更に増します。

その理由を以下解説します。

 

 

定年後の生活に「幸福の5つの条件」が特に必要な理由とは?

条件1:健康であること

2024年のデータによると、日本人の平均寿命は84.5歳で、世界1位です。

にもかかわらず、日本人の幸福度は高齢になるほど低くなります(下のグラフ参照)。

引用:内閣府『平成20年版国民生活白書』「日本人の幸福度に関する分析」

また、こんなデータもあります。

オムロンヘルスケア㈱の『人生100年時代におけるシニアの健康に関する意識と実態調査』によると、約9割(86.5%)もの人が、老後への不安を抱えています。

その不安の種類は、1位が「お金」、2位以降は「自身の健康」に関するものが並びます(下のグラフ参照)。

また、不安の1位である「お金」の内容を見てみると、医療費が5割強(52.6%)で、2人に一人は医療費に不安を抱えているというのが実態です(下のグラフ参照)。

以上の結果から、老後の不安とは要するに「健康への不安」であり、日本人の幸福度が年齢とともに低下する一因でもあると言えます。

定年後の生活に「条件1:健康であること」が特に必要な理由とは、老後の不安の主因である「健康への不安」を払しょくし、幸福度が年齢とともに低下しないようにするためです。

ただし、過度な健康管理は、かえってストレスになりますので気を付けましょう。

※【関連記事:定年後の健康管理がストレスに!残る人生をストレス無く生きるには?】から一部引用しました。

 

 

条件2:ほどよいお金があること 

お金が定年後の幸福の条件であることは言うまでもありませんが、「ほどよい」という言い方に大切な意味があります。

この「ほどよい」とはどの程度か?

それは人によって違いますが、あり余る財産は時として災いの元にもなります。

例えば、人間関係を軽んじることで孤立したり、不摂生を続けることで病気になったり、投資に熱中し過ぎて多くを失ったり、使い切れずに残した多額の財産が原因で子孫の間に争いが起こったり・・・・・。

ユングが提唱する「ほどよいお金があること」とは、生活に必要なものが手に入り、精神的に余裕を持って暮らすことができる程度の資金があることです。

そして、それを実現するために何よりも大切なのが「脱・消費脳」です。

定年後の生活に「条件2:ほどよいお金があること 」が特に必要な理由とは、老後のお金による災いから身を守り、精神的に余裕を持って暮らすためです。

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条件3:美しいものに感動できること

美しいものに感動できる能力があれば、お金をあまり使うことなく定年後の有り余る時間を楽しむこともできます。

例えば、毎日の散歩や庭の手入れで四季の移り変わりを楽しむこともできますし、感動したことを俳句や短歌にできれば立派な趣味に発展します。

また、登山用のスマートフォン向けアプリ「ヤマップ※」を使えば、身近にある低い山に登って自然の景色を楽しめて、ちょっとした運動にもなります。

※ヤマップは、電波が届かない場所でも現在地を確認でき、登山記録やコミュニティ、山の情報など、登山に関するあらゆるサービスを提供しているアプリ

筆者のお気に入りは、新緑と紅葉の季節に長良川でSUP(ストンドアップ パドルボート、通称サップ)に興じることです(下の写真参照)。

平日は誰もいませんので、清流・長良川と金華山の自然を無料で独り占めできます。

また、感動の対象は、自然の美しさだけではなく、お金を使わず読んだり聞いたりできる芸術もあります。

例えば、図書館には日本文学や海外文学の名作がいくらでもありますし、クラッシック音楽ならユーチューブ動画で楽しめます。

筆者は最近、演奏時間がやたらと長すぎて、現役時代にはとても聞く気になれなかったブルックナーとマーラーの交響曲を繰り返し聞いて楽しんでいます。

定年後の生活に「条件3:美しいものに感動できること」が特に必要な理由とは、あまりお金をかけずに、有り余る時間を豊かに過ごすためです。

 

 

条件4:人とうまくやれる能力を持っていること

人との関係には、タテの関係とヨコの関係の2種類が存在します。

タテの関係とは、肩書(身分)を前提とした付合いであり、現役時代は大半がこの関係です。

ある意味では、このタテの関係で人間関係を築くことは簡単です。

なぜなら、名刺一枚で相手との上下関係が決まるため、それに従って適切に振舞えばよいからです。

しかし、定年後は、180度変わってヨコの関係になります。

ヨコの関係を上手く築くためには、コミュニケーションを大切にし、相互理解を深めることが重要です。

そこで大切になってくるのが、4つめの条件「人とうまくやれる能力」です。

現役時代にタテの関係だけで生きてきた人は、定年後、戸惑うことになり社会的に孤立することも珍しくありません。

現役時代から会社とは違う居場所を見つけて、ヨコの関係に慣れておく必要があります。

定年後の生活に「条件4:人とうまくやれる能力を持っていること」が特に必要な理由とは、定年後にヨコの人間関係を上手く築き、社会的孤立を回避するためです。

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こぼれ話

名刺の話~日本と欧米の違い

名刺の役割は、日本と欧米で全く異なります。

日本のビジネスは、名刺交換をうやうやしく行うことからスタートするのが普通です。

一方、欧米のビジネスは、握手や自己紹介からスタートし、商談の結果、今後連絡を取る必要があると感じた時にのみ名刺が交換されます(名刺は連絡用の単なるツール)。

日本のビジネスは、名刺交換という儀式で始まるタテの人間関係で行われ、欧米は、相互理解から始まるヨコの人間関係で行われます。

条件5:朝起きた時に、やるべきことがあること

定年後は毎日が日曜日だからといって、気分によって起床時間を不規則にすると、一日のリズムが安定せず、心身の健康を維持することが難しくなります。

朝起きた時に、やるべきことがあれば生活にリズムが生まれます。

外の掃き掃除をする、庭で新聞を読む、散歩をする、朝食をつくるなど、なんでもOKです。

おすすめしたいのは、やるべきことをやりながら朝日を浴びることです。

朝日を浴びることによって、体内時計が整うからです。

体内時計とは、体内の時間軸を調整するシステムで「概日(がいじつ)リズム」とも言います。

概日リズムとは、約25時間周期で変動する生理現象で、動物、植物、菌類、藻類などほとんどの生物に存在しています。

24時間周期とのずれが蓄積して体内時計が乱れると、睡眠障害や肥満などのリスクが高まるため、朝日を浴びることでリセットすることが推奨されています。

定年後の生活に「条件5:朝起きたときに、やるべきことがあること」が特に必要な理由とは、やるべきことによって生活のリズムをつくり、心身の健康を維持するためです。

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まとめ

定年後の生活にユングの「幸福の5つの条件」が特に必要な理由とは?

条件1:健康であること

⇒ 老後の不安の主因である「健康への不安」を払しょくし、幸福度が年齢とともに低下しないようにするため

条件2:ほどよいお金があること

⇒ 老後のお金による災いから身を守り、精神的に余裕を持って暮らすため

条件3:美しいものに感動できること

⇒ あまりお金をかけずに、有り余る時間を豊かに過ごすため

条件4:人とうまくやれる能力を持っていること

⇒ 定年後にヨコの人間関係を上手く築き、社会的孤立を回避するため

条件5:朝起きたときに、やるべきことがあること

⇒ やるべきことによって生活のリズムをつくり、心身の健康を維持するため