ながら江雪の人生ノート

現役サラリーマンと定年シニアのお悩み解決

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定年後の孤独や不安解消法を老子から学ぶ【経験者が解説】

「会社に行けないから、むなしくて何となく不安だ」

「毎日テレビばかりの自分が情けない😩」

「こんな状況・・・・何とかしないと😞」

こんなお悩み解決します。
 

■この記事を読んで頂きたい人■
・孤独感や不安感で自分を情けなく感じている定年退職者の方

 

■この記事でわかること■
・定年退職後の不安や孤独感の解消法

 

今年(2023年)40年間のサラリーマン人生を終え定年退職した筆者が、定年退職後の不安や孤独感の解消法を老子の教えから解説します。

<自己紹介>

筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴16年 ボクシング歴10年

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職

 

      

 目次

老子の教え~その1

1.確かなものにすがろうとするから不安になる。あやうさを生きよ。

 生きるためには、あやうい「ものごと」や、あやうい「ことば」を、確固たるものと思い込んではならない。そんなことをすれば、あなたの生きる力が、失われてしまう。
(中略)
確かなものにしがみつこうとするから、確かなものに頼ろうとするから、あなたは不安になってしまう。

あなたには、そのあやうさを生きる力が、与えられいるというのに。

引用元:「老子の教え あるがままに生きる」(安冨歩著 ディスカヴァー トゥエンティワン)

老子 あるがままに生きる エッセンシャル版

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  • 作者:安冨 歩
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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2.定年退職者がすがる「4つのもの」

これから解説する「4つのもの」にすがろうとするから、かえって不安になるのです。

①再就職は生きがいの悲しい代替品

アウシュビッツ強制収容所の門「働けば自由になる」

 ヴィクトール・E・フランクル*1は、有名な著書「夜と霧」のなかで「人間という存在は、生きる意味を見失うと、精神が衰弱してしまうのみならず生命そのものまでもが衰弱し、ついに死に至ってしまうこともある」と述べています。

大半のサラリーマンにとって生きる意味とは、日々会社に行き神経をすり減らした対価として生きる糧としての給与を得ることです。

世界的に見て働きすぎの日本人は特にそうです。

本当に自分が生きがいだと思えることに出会えず定年退職を迎えた人が、退職後は生きがいを持つべきだと言われても戸惑うだけです。

そうなるとせっかく組織から解放されたにもかかわらず、安い給料でも自ら組織に戻る人も出てきます。

組織に拘束されて働くというニセの生きがいしか知らない人にとっては、それにすがるしかありません。

②名刺は定年後を不幸にする過去の幻

どうしてもタテの人間関係から抜け出せない人達がいます。

定年後、例えば町内会やマンションの理事会で現役時代(管理職)の癖がでて、仕切りたがり皆に嫌われる人たちです。

なかにはタテ社会の必須アイテム、名刺がどうしても欲しくて安月給で再就職する人たちもいます。

定年退職後のOB会で再就職先の名刺を誇らしげに見せ合う人たちです。

もう人生第四コーナー過ぎてるのにまだ組織の犠牲となって使う当てもない金を稼ぐ人たちは、名刺にすがってこれからどこに向うのでしょうか?

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③貯金は見て安心するだけの単なる数字

  人生100年時代、貯蓄2000万円問題で火がついて「老後資金の増やし方」に関する本が溢れている一方、今度は「90歳までに使い切る お金の賢い減らし方」(大江英樹著 光文社新書)なんていう本まで出てきました。

老後の生活費は、人それぞれです。

「老後の生活費はいくらで、年金はいくらで、どれだけ貯蓄が必要なんだ?」という問いに正解はありません。

生活費は実際に自分で1カ月家計簿をつけてみれば予測はつきますし、年金定期便ではよく分からない年金受給額も地域の年金相談センター(要予約)に行けば親切に教えてくれます。

あとは自分の寿命をどう見るかです(これは自分でお決めください)。

大方の人は、マスコミやあなたの貯蓄を狙っている金融機関が騒ぐほど老後資金の心配はいりません。

老後の生活費は他でもないあなた自身にその使い道の決定権があるわけですから。

定年後の生活を、「お金はいくら要るか」という単純な「量」の問題に還元するのではなく、どういった価値観でどう自分らしく生きるかという「質」の問題として捉えたいものです。

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④人間ドッグは健康確認の虚しいセレモニー

定年後もサラリーマン時代からの習慣で人間ドックなどの検診を受けてる方が多くいらっしゃることでしょう。

不思議なことに検診を受ける一週間ほど前から、お酒を控えたり規則正しい生活を心掛けたりと検査に備えていつもと違う生活を送る人がよくいます。

おそらく少しでも良い結果を出して、日頃の不摂生の免罪符にしたいのでしょう。

あるいは「俺は健康なんだ」という証明書が欲しいんでしょうか?。

がん検診もがんの早期発見が目的ですが、検便の再検査は受検率が悪いそうです。

受けない理由は、痔が理由だと勝手に自己診断している人が結構いるそうです。

筆者は「やってはいけない健康診断」(近藤誠・和田秀樹著 SB新書)を6年前に読んで以来人間ドックは受診していません。

理由は健康診断と長生きをつなぐデータ(医学的エビデンス)が全く無いからです(興味のある方はご紹介した本をお読みください)。

還暦過ぎれば癌も老化が原因ですが、日本の医療はいろんな老化現象(例えば高血圧)まで病気に仕立て上げます。

病院で検査地獄や薬地獄に会うよりは、生活習慣の見直しに取り組むべきです。

この歳では病院でいろいろ検査・治療を繰り返しても、もう安心という免罪符(健康証明書)は永遠にもらえません。

 

 

老子の教え~その2

1. ただただ生きればいい  

(前略)
天地は、ただただ、生きている。それゆえ、長生きできる。
同じように人も、ただただ、生きるべきなのだ。
そうすれば、長生きできる。
(中略)
無私であるからこそ、その「私」は成長しつづけ、
それゆえ、長生きしうるのではなかろうか。  

  引用元:同上    

2.未来ではなく今を生きる 

ジャーナリストの稲垣えみ子さん*2やフリーライターの紫苑さん*3の生き方にヒントがあります。

日々生活の中のさまざまな創意工夫や気づきが「生きがい」であり「生きる意味」になっています。

禅寺の作務(さむ、庭の掃き清掃や薪割りなどの労務)という修行も毎日の単純労働の中に創意工夫や気づきを見出すものです。

要するに「日常」を死んだ時間として過ごさないと言うことです。

死んだ時間と考えてしまうと退屈で苦痛な時間を耐え忍ぶだけになります。

人間はどうしても先のことを考えてしまいます。

「これからまだ20年もある。何するんだ。」と言うことになりますが、心配ご無用、いっぺんに20年がやって来るわけじゃなありません。

日々コツコツと小さな楽しみや生きがいを積み重ねればいいのです。

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まとめ

 私たちは老後という全く知らない海に放り込まれました。

どこかに島はないかと、いつしぼむかもしれない浮き輪(前述の「定年退職者がすがるもの」)にすがってやたらめっぽう泳ぐより、先ずは気力・体力を無駄に使わず浮いていることです。

日常を丁寧に暮らしていればいつかチャンスが来ます。

出来ることから少しづつ始めましょう! 

 

 

*1:オースリア出身の精神科医・心理学者。「ロゴセラピー」の創始者。ナチスの強制収容所での凄惨な体験を記した『夜と霧』は世界的ベストセラーとして知られる。

*2:稲垣 えみ子は、日本のジャーナリスト。朝日新聞大阪本社デスク、朝日新聞論説委員、編集委員を歴任後、2016年に50歳で依願退職しフリージャーナリストになる。以後は築50年のワンルームマンションで、夫なし・冷蔵庫なし・定職なしの「楽しく閉じていく人生」を追求中。

*3:紫苑(しおん)は、地方新聞社勤務を経て、フリーライターとして30年以上活動。2020年3月、月5万円の年金受給とともに、節約生活の様子を綴ったブログを開始。おいしく健康にいい月1万円レシピや、リメイクおしゃれ、百均DIYなど、お金を使わなくても楽しめる工夫の数々を紹介している。