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【就職先】インフラ企業だけはやめなさい!リアルな実態を経験者が解説

インフラ企業は、確かに経営は安定していますし、給与を含めた待遇は恵まれています。

しかし、インフラ企業は、JTC※の中のJTC、The King of JTCです。

※JTCとは、Japanese Traditional Companyの略で、古い体質の日本の伝統的大企業を揶揄するネットスラング

それが何を意味するのか?

この記事を読めば、就活情報サイトでは決して語られない、インフラ企業のリアルな実態が分かります。

就職先としてインフラ企業を検討中の方は、この記事を読んでからご判断ください。

■この記事を読んで頂きたい人■
①インフラ企業への就活を検討中の学生

②インフラ企業への転職を検討中の方
 
 
■この記事でわかること■
①インフラ企業の本質とは?
(注)インフラ企業のうち競争の激しい携帯電話やインターネットなど通信網を扱う企業は、この記事の対象外

②転職情報サイトでは決して語られないインフラ企業のリアルな実態とは?
(付記)転職情報サイトの収入は企業情報の掲載料(広告収入)です。広告主の悪口を言う訳がありません。

 

インフラ企業での長年の勤務経験がある筆者が、転職情報サイトでは決して語られないインフラ企業のリアルな実態について解説します。

<自己紹介>

筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴17年 ボクシング歴11年

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職

 

      

 目次

インフラ企業の本質とは?

インフラ企業は、電気・ガスや道路や鉄道など公共サービスを提供する企業です。

これらのサービスは日常生活に必要不可欠であるため需要が安定しているうえに、地域ごとにほぼ独占状態または競合が限られているので、かなり恵まれた経営環境といえます。

したがって、本当の意味での営業業務は無く、あっても「なんちゃって」営業しかありません。

「営業」が売上や利益を生むのではなく、サービスの安定供給や品質維持のための「管理」が売上や利益を生むという特異な考え方を持つ業界です。

そのため、インフラ企業では、管理部門(バックオフィス)が、強大な権力を握っています。

(注 再掲)インフラ企業のうち競争の激しい携帯電話やインターネットなど通信網を扱う企業は、この記事の対象外

インフラ企業のリアルな実態とは?

リアルな実態その1~末期の大企業病に冒されている

インフラ企業は、他のJTCと同様に「任期中、大過なく過ごす」ことしか考えない凡庸な「すごろく上がりのサラリーマン社長」が率いている上に、前項で解説した以下の特徴を持つため、会社組織は一般的なJTCより更に閉鎖的で堅固な「共同体」と化しています。

①提供するサービスの需要が安定しているうえに、地域ごとにほぼ独占状態または競合が限られている

②「営業」ではなく、サービスの安定供給や品質維持のための「管理」が売上や利益を生むという特異な考え方を持つ業界

より閉鎖的で堅固な「共同体」を形成

以下、「共同体」について補足します。

「共同体」と、企業の本来あるべき姿「機能体」との違いを表にまとめましたのでご覧ください(下図参照、引用:堺屋太一著「組織の盛衰」)。

日本に存在する「機能体」といえる企業は、外資系企業やベンチャー系企業、あるいは一部のまともな中小企業です。

より閉鎖的で堅固な「共同体」であるインフラ企業の大企業病は治療法が存在しない末期状態です。

筆者が長年のインフラ企業勤務で経験した大企業病を下の二重線枠に列記しました。

解説は割愛しますが、興味のある方はアンカーテキストから関連記事をご覧ください。

①官僚的(権威的かつ形式的)で意思決定が遅く仕事のスピード感が無い

②前例主義で新しいことにチャレンジできない

③減点主義、完璧主義が生む過剰なコンプライアンスと隠ぺい体質

マイクロマネジメントで個人の裁量権が全く無く、仕事のやりがいが無い

⑤個人の責任範囲が不明確で集団無責任体制に陥っている

ロクな仕事も無いくせに無駄に社員が多く、基本的には暇

無能な上司ばかりで人格的にも尊敬できる人は皆無

⑧ことなかれ主義の社員ばかりで同調圧力が強い

不条理な人事評価(情意評価)で社員のエンゲージメントが低い

役職定年制度などによりベテラン社員のモチベーションが最低

■関連記事■

 

 

リアルな実態その2~ホワイトカラーの実質的な仕事は待機

事故が起こるとホワイトカラーも作業服着て現場に駆けつけるが・・・・

インフラ企業の社員は、以下のように大きく分けて2つのグループに分類されます。

①現業:実際にサービスを提供する社員

②非現業:現業を管理するホワイトカラー

インフラ企業は、マニュアル業務のような定型業務しかないので、実質的には現業だけで回ります。

では、非現業のホワイトカラーは何をやっているのか?

彼らの実質的な仕事は、事故や不祥事の後始末(社外対応や再発防止策の策定など)です。

仮に、何か他に仕事があっても他のJTCと同様に、下請けに丸投げです(例えば、鉄道会社には車両の開発はありますが、ほとんどメーカーに丸投げです)。

したがって、事故や不祥事が発生するまでは、実質何もやっていません。

各種手続き業務や情報共有のための形式的な会議など、どうでもいい仕事をあみ出して暇つぶしはしていますが、事故や不祥事が起こるまでは実質的には待機です。

インフラ企業はホワイトですが、それは経営努力の結果ではなく、単にそもそも暇だからという理由です。

インフラ企業は安定していますが、どうでもいい仕事で暇をつぶさなければならない社員の心は不安定です。

こぼれ話

なぜインフラ企業の事故は無くならないのか?

インフラ企業は前近代的な封建社会で身分制度が厳しく、管理部門が絶対的な権限を持っています。

管理部門が持っているのは権限だけで、現場の経験もスキルも持っていません(たまに現場に出向いて腕組んで見てるだけで、現場を知った気になってるんですから、困ったもんです)。

そこに根本的な問題があります。

素人集団がプロ集団を牛耳っているわけですから、うまく行く訳がありません。

でも事故が無くなってしまったら、管理部門の存在価値がなくなるので、たまに事故が起こるのは彼らにとって都合がいいとも言えます。

利用者にとっては、たまったものではありませんが(笑)。

まとめ

インフラ企業の本質とは?

①提供するサービスの需要が安定しているうえに、地域ごとにほぼ独占状態または競合が限られている

②「営業」ではなく、サービスの安定供給や品質維持のための「管理」が売上や利益を生むという特異な考え方を持つ業界

より閉鎖的で堅固な「共同体」を形成

転職情報サイトでは決して語られないインフラ企業のリアルな実態とは?

リアルな実態その1~末期の大企業病に冒されている

リアルな実態その2~ホワイトカラーの実質的な仕事は待機