「現役時代は、定年後の孤独なんて、気にしたこともなかったけど・・・・いざ退職してみると結構きつなぁ😞」
「なぜこんなに、孤独になっちゃんたんだろう?」
こんな疑問とお悩み解決します。
②定年後の孤独に悩んでいる方
②定年前と定年後、それぞれの孤独対策とは?
オジサン(の孤独)研究家 岡本純子氏によると「孤独」は世界的にパンデミック化しており、その中でも日本の高齢者は世界一不幸だということです。(「世界一孤独な日本のオジサン」岡本純子著 角川新書)
3人に一人弱(29%)が65歳以上の高齢者である現在の日本では、定年後の孤独や不安感はもはや社会問題と言っていいかもしれません。
ただその実態はあまり発信されていないため、よく分かっていません。
定年後の問題と言えばすぐ年金問題ということになり、孤独や不安感の方は影がかすんでいる様です。
年金は「量」の問題ですのでマスコミが扱いやすく、孤独や不安感は「質」の問題なので扱いにくいと言うことでしょう。
「質」の問題が、置き去りにされることはよくあることです。
40年間のサラリーマン生活を今年(2023年)終え、「きょう(今日)いく(行く)」と「きょう(今日)よう(用)」で定年後の孤独を乗り切った筆者が、定年後の孤独の原因と対策について解説します。
<自己紹介>
筆者本人(1960年生 2023.11撮影)
筋トレ歴16年 ボクシング歴10年
<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職
目次
定年後の孤独の原因
原因① ~ 会社組織が生む定年後の孤独
会社という組織のメンバーは全く偶然に集まった人たちです。
何か同じ主義主張や趣味を持って能動的に集まった人たちではありません。
いってみれば会社員は会社組織の規範というルールに縛られた共同体(ムラ社会)のメンバーです。
個人の生身の属性とは関係なく会社のポジションという関係性だけでつながっているので、本当は孤独なのですが、このメンバーであるうちは孤独感はマヒしています。
定年を迎え、ムラ社会から外れれば、もはや上下関係性はありません。
本来の赤の他人同士に戻るだけです。
部下たちが従っていたのは自分にではなく自分の肩書(関係性)であったことに気づかされます。
自分の社会での存在価値を見出せず、生きる意味も失います。
原因② ~ 豊かさ・ 便利さが生む孤独
最近ネットニュースでタワーマンションでの孤独死が増えているという記事を見ました。
人類が追い求める住宅の豊かさ・便利さの最終到達点ともいえるタワーマンションで孤独死とは皮肉ですね。
また、名前を忘れましたがあるルポライターが書いた超高級老人ホームの実態の中にこんな話が載っていたのを思い出しました。
「その施設は高級リゾートホテルのように立派で娯楽施設も整っているが、そこの住人は食事がすんだら誰とも話さずさっさと自分の部屋に戻ってしまう。」
現代人は、豊かさ・便利さのおかげで、だれの助けも借りず、一人で生きていけるようになりました。
人類が追い求めてきた豊かさ・便利さが皮肉にも孤独を生んでいるということです。
原因③ ~ 日本社会の「道徳」が生む孤独
アリとキリギリスの話ご存じですよね。
日本では、怠け者で快楽主義のキリギリスは「悪」で、勤勉で働き者のアリは「善」と教育されてきました。
泉谷閑示著「仕事なんかいきがいにするな」によると、海外では、死にかけているキリギリスを見殺しにするような冷酷なアリになってはいけないという教育がされている国もあるそうです。
日本の道徳教育による「勤勉と相手に迷惑かけない精神」が働きすぎだけではなく孤独も生んでいます。
「迷惑かけない精神」は「迷惑かける人は悪」という道徳を生み出します。コロナの「マスク警察」は典型例です。
長野市の子供の声がうるさいから児童公園廃止問題や、電車での赤ちゃんの泣き声さえも迷惑がる人も同類です。
この「道徳」は、「助けてあげる必要のある人」を「人に迷惑をかける人」に変えてしまいました。
「迷惑者(キリギリス)になりたくない」、「迷惑者(キリギリス)は悪」という考え方(道徳)が孤独な社会をつくっていると言えます。
対策
対策①~理想的な対策は55歳からの準備
まだ定年前であれば次の3つの対策が理想といえます。
①55歳からは仕事より自分への投資(健康と趣味)
②55歳からはタテ(上下)の関係よりヨコの関係
③55歳からは節約と住宅関連整備
対策②~「きょういく」と「きょうよう」
a)あまりお金のかからないおすすめの居場所
①図書館
②総合型スポーツジム
③地域のサークル
④カルチャースクール
⑤バイト
b)あまりお金のかからない社会とつながるルーティーンワーク
①ブログ運営
②X(旧ツイッター)
③インスタグラム
詳細は過去記事をお読みください。
まとめ
この記事では現代の社会問題「孤独」の原因を考察しました。
定年退職者は基調としてベースにある孤独(原因②と③)に会社組織が生む孤独(原因①)が上書きされるため深刻です。
対策は現役時代からじっくり取り組むのが理想ですが、そうもいっていられない人はこの記事でおすすめした「きょういく」と「きょうよう」をご検討ください。
現役時代は時間がなかったので単純消費の物欲に支配されましたが、定年後は経験欲にシフトすれば暇もつぶせ孤独からも解放されます。