ながら江雪の人生ノート

現役サラリーマンと定年シニアのお悩み解決

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定年後の孤独や不安対策とは?【経験者が3つの対策を解説】 

「定年後は毎日どうするんだろう?」

「孤独や不安におそわれるって言うけど・・・・😞」

「退職前から何か準備しておかなくても大丈夫だだろうか?」

こんなお悩み解決します。

■この記事を読んで頂きたい人■
10年以内に定年退職する人

 

■この記事でわかること■
  ①定年前から定年後の孤独や不安対策が必要な理由

  ②3つの対策の具体的な内容

 

長い現役時代さんざん苦労して働いてきたのに、定年後に孤独や不安に襲われては浮かばれません。

 

40年間のサラリーマン生活を終え今年(2023年)退職した筆者が、定年後の孤独や不安に対する3つの対策について解説します。

<自己紹介>

筆者本人(1960年生 2023.11撮影)

筋トレ歴16年 ボクシング歴10年

<筆者略歴>
1984年 東京大学工学部建築学科卒業後、ゼネコンに入社
1988年 インフラ企業に転職 
2018年 子会社の不動産会社に転籍
2023年 退職

 

 

 目次

定年前から対策が必要な理由

当たり前ですが定年退職後の生活は初体験となります。

何の準備もせず突然定年を迎えると社会的孤立を感じたり、時間を持て余して不安感や孤独感を感じることになります。

ある日突然会社の拘束が解かれ完全に自由になるわけですから不安になるのは当然です。

社会派の精神分析学者エ―リッヒ・フロム*1著書『自由からの逃走』で「人間は支配から逃れて求めた自由を得ても、その自由を今度は重荷と感じ、自由から逃れて、また新しい依存と従属を求めやすい性格を持っています。」と指摘しています。

出来れば定年の10年ほど前から少しづつ準備を始めることをお勧めします。

「そんな前から?」と思われるかもしれませんが、これからお話しする3つの対策は、場合によってはライフスタイル(生き方)や生活習慣を180度変えることだからです。

突然頭で切り替えても身体はついていかないでしょう。

定年退職後の不安感や孤独感を回避し、自分の人生を享受するためには努力と覚悟が必要です。

3つの対策とは?

①55歳からは仕事より自分への投資(健康と趣味)

55歳になればおおよその人がサラリーマンとして先は見えているでしょう。

場合によっては、みじめな役職定年を迎える人もいます。

筆者の場合は、子会社転籍となり給料も減額されました。

55歳よりもっと早く先が見えればそれに越したことはありません。

仕事をやってもやらなくても評価が変わらないベテラン社員は、仕事に精を出すのはバカバカしくありませんか?

仕事はほどほどにして意識を自分への投資にもっていくべきです。

健康増進(運動習慣生活習慣の改善)と趣味の拡充に意識とお金と時間を投入すべきです。

この年になって絶対に仕事を生きがいにしてはいけません。

現役時代に仕事を生きがいにしていた人ほど定年後に社会的孤立を感じることになります。

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②55歳からはタテ(上下)の関係よりヨコの関係

私たちは名刺の関係(タテの関係)に慣れすぎていますが、これは退職後大変危険です。

なぜ危険か? 

いつまでも現役時代の肩書に捕らわれていると、ハッキリ言って定年後の人付き合いでは嫌われて孤立します。

かつて副社長だった老人が何かの会合の受付で「斎藤(仮称)だ」と偉そうに名乗り、受付嬢から「どちらの斎藤さんですか?」と言われ、納得いかず押し問答を繰り広げていたことを思い出しました。

もう先が見えたら、それなりの肩書があってもそんなものは無いものと心すべきです。

昼飯や居酒屋に部下を誘ってぞろぞろ引き連れて行くことを止め、部下のマイクロコントロールは必要最小限にとどめましょう。

一方、スポーツ教室や地域のサークルで肩書なしの付き合いを始めましょう。

現役時代から肩書を捨てた人生を少しづつ始めれば、退職後に疎外感を感じることはありません。

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③55歳からは節約(脱・消費脳)と住宅関連整備

 定年後の不安要因にお金の問題があります。

「年金だけでやっていけるのか?」「貯金はいくら必要か?」

2000万円問題などで、いろいろ煽られるのでなおさら心配になります。

また、役職定年を迎えて給料が減額される方はさらに深刻です。

定年後は蓄えがそこそこあっても、年金の範囲内で生活することで精神が安定します。

定年退職して急に節約するのも現実的ではありませんので、定年前からの節約をお勧めします。

特にいわゆる消費脳(消費=幸福感)の方は、早めに意識改革に取り組むことをお勧めします。

生活の質を落さない節約に知恵を絞ることで、日々の生活が楽しくなります。

 一方で、退職後大きなお金が必要になるリスクは現役の内に潰しておくこともお勧めします。

具体的には住宅の整備です。

ここからは持ち家を前提にお話しを進めます。

住宅ローンが定年後も続く場合は繰り上げ返済、家が古い場合は修繕を済ませておくのがいいでしょう。

ここでも上記の節約が活きてきます。

また可能であれば終の棲家を自己資金で新築されることをお勧めします。

筆者も退職金をつぎ込んで、高性能な断熱・気密性と太陽光発電システムにより光熱費の大幅削減可能な終の棲家を退職前に新築しました。

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まとめ

 定年後はじめの内は、旅行など現役時代やりたかったことで楽しめるかもしれませんが、1年もすればネタも尽きてしまい不安感や孤独感にさいなまれます。

この精神状態から逃れるために、金銭的な不安が無いにもかかわらず安い給料で再就職する人や、用も無いのに退職した会社にのこのこ出かけ元部下に迷惑をかける人もいるそうです。

また、労働力不足もあり70歳まで定年退職を引き延ばすことも場合によっては可能ですが、これは単に問題を先送りするだけです。

やっぱり出来れば早く組織の拘束から逃れ、人生を楽しみ、味わいましょう。

そのためには、これまでお話しした以下の3つの対策が必要です。

①55歳からは仕事より自分への投資(健康と趣味)

②55歳からはタテ(上下)の関係よりヨコの関係

③55歳からは節約(脱・消費脳)と住宅関連整備

おまけ

40年のサラリーマン人生を振り返ると官僚的な企業風土には最後まで馴染めず精神的にはかなり苦痛でしたが、収入面では恵まれていました。 

組織は個人を決して幸せにしませんが、組織無くしてはなかなかお金は稼げません。

そのジレンマにずっと悩み続けた40年でした。

養老孟司*2と同じで私も会社組織(内)と世間(外)の境壁の上を歩いてきました。

こういう状況でしたから仕事を生きがいとすることなく、退職後に意識を向けることができたのでしょう。

不幸中の幸いですね(笑)。 

 

 

*1:1900年、ドイツのフランクフルトに生まる。ハイデルベルク、フランクフルトの大学で社会学、心理学を専攻し、1925年以後は精神分析学にも携わり、精神分析的方法を社会現象に適用する新フロイト主義の立場に立ち、社会心理学界に重要な位置を占めた。ナチに追われてアメリカに帰化し、メキシコ大学などの教授を歴任。1980年没。

*2:1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。解剖学者。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。81年、東京大学医学部教授に就任し、95年退官。『からだの見方』(筑摩書房、サントリー学芸賞受賞)、『唯脳論』(ちくま学芸文庫)、『バカの壁』(新潮新書)など著書多数。大の虫好き。